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執念深
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しゅうねんぶか
ふりがな文庫
“
執念深
(
しゅうねんぶか
)” の例文
それから橋を渡り、暗い公園を脱け、この
山下町
(
やましたちょう
)
に
入
(
い
)
りこんで来ても、この
執念深
(
しゅうねんぶか
)
い尾行者たちは一向退散の模様がないのである。
疑問の金塊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
こんな、しつこい、毒悪な、ねちねちした、
執念深
(
しゅうねんぶか
)
い奴は大嫌だ。たとい天下の
美猫
(
びみょう
)
といえどもご免蒙る。いわんや
松脂
(
まつやに
)
においてをやだ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
金蔵に弱らせられているのは、お豊ばかりではなく、伯父夫婦も、あの
執念深
(
しゅうねんぶか
)
い馬鹿息子には困り切っているのであります。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
なんでも
執念深
(
しゅうねんぶか
)
い
皇子
(
おうじ
)
だといいますから、お
姫
(
ひめ
)
さまは、
早
(
はや
)
くこの
町
(
まち
)
から
立
(
た
)
ち
去
(
さ
)
って、あちらの
遠
(
とお
)
い
島
(
しま
)
へお
逃
(
に
)
げになったほうが、よろしゅうございましょう。
赤い姫と黒い皇子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と云うのは河に落ちた彼が、
濡
(
ぬ
)
れ
鼠
(
ねずみ
)
のようになったまま、向うの汀へ這い上ったと思うと、
執念深
(
しゅうねんぶか
)
くもう一度その幅の広い流れの上を飛び越えようとしたからであった。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
へびのごとく
執念深
(
しゅうねんぶか
)
いやつだから、いつどんなところから飛びだして暴行を加えるかもしれない。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
何という
醜
(
みにく
)
い
一途
(
いちず
)
な
執念深
(
しゅうねんぶか
)
さだろう。そして、何という落ちつきはらった我ままな要求だろう。愛情の対象として完全に自分を無視しておきながら、道江は一たいどんな返事を
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
……えりにえって
然
(
そ
)
ういう因縁つきの娘さんを貰うことは考えものと存申候。
死霊
(
しりょう
)
は
執念深
(
しゅうねんぶか
)
きものにて候。河原姓から河原姓へ嫁したのでは全く同姓ゆえ、矢張り堪忍致さぬことゝ存申候。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「だから云って御覧なさいよ。哲学者なんてものは、よくごまかすもので、何を聞いても知らないと白状の出来ない
執念深
(
しゅうねんぶか
)
い人間だから、……」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この
間
(
あいだ
)
にかえるは、
縁
(
えん
)
の
下
(
した
)
へ
入
(
はい
)
ろうとしました。しかしへびは
執念深
(
しゅうねんぶか
)
く
逃
(
に
)
がすまいとしました。
少年の日二景
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ああ、どこまで
執念深
(
しゅうねんぶか
)
い男であろうとお豊は
身慄
(
みぶる
)
いを止めることができません。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しかし女というものはとにかく
執念深
(
しゅうねんぶか
)
いものですね。二十何年もその事を胸の中に畳込んでおくんですからね。全くのところあなたは好い
功徳
(
くどく
)
をなすった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
なんという
執念深
(
しゅうねんぶか
)
い
姉
(
あね
)
だろうと、
妹
(
いもうと
)
は、そのとき
慄
(
ふる
)
えあがらずにはいられませんでした。
灰色の姉と桃色の妹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「あれがまたこの宿へ入り込みましたよ、
執念深
(
しゅうねんぶか
)
いやつらったら」
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
おれはおれでどうかするという気概も起して見た。けれども根が
執念深
(
しゅうねんぶか
)
くない
性質
(
たち
)
だから、これしきの事で須永に対する反抗心などが永く続きようはずがなかった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
独
(
ひと
)
り
灰色
(
はいいろ
)
の
着物
(
きもの
)
を
着
(
き
)
た
姉
(
あね
)
は、どうかしてみんなを、一
度
(
ど
)
はわざわいの
砂
(
すな
)
と
水
(
みず
)
に
浴
(
あ
)
びさせて、
苦
(
くる
)
しめてやらなければならないといって、
執念深
(
しゅうねんぶか
)
く、いまだに
夜
(
よる
)
も
昼
(
ひる
)
も
黒
(
くろ
)
い
砂
(
すな
)
をまき
消えた美しい不思議なにじ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「あなたまだ、あの事を聞くつもりだったの、あなたも随分
執念深
(
しゅうねんぶか
)
いのね」と御米が云った。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
細君は「早く
御飲
(
おの
)
みになったら
宜
(
い
)
いでしょう」と
逼
(
せま
)
る。早く飲んで早く出掛けなくては義理が悪い。思い切って飲んでしまおうとまた茶碗を唇へつけるとまたゲーが
執念深
(
しゅうねんぶか
)
く妨害をする。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
執
常用漢字
中学
部首:⼟
11画
念
常用漢字
小4
部首:⼼
8画
深
常用漢字
小3
部首:⽔
11画
“執念”で始まる語句
執念