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唐檜
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とうひ
ふりがな文庫
“
唐檜
(
とうひ
)” の例文
中にも大江川に沿うたものが最も広く、次第に隆起して、エゾ松、
唐檜
(
とうひ
)
などの侵入した焼山峠の南に続く高原に移り行くのである。
那須、尾瀬、赤城、志賀高原
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
目の上の
唐檜
(
とうひ
)
に、恐ろしく長いサルオガセがぶら下っている。ブランブランと風にゆれる。河の音がする。私はねむくなって来た。
可愛い山
(新字新仮名)
/
石川欣一
(著)
主人らしい人の
縞
(
しま
)
のシャツが
唐檜
(
とうひ
)
の向うでチラッとします。園丁はそっちを見かすかに笑い何か
云
(
い
)
いかけようとします。
チュウリップの幻術
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
アメリカ
唐檜
(
とうひ
)
の日蔭に坐っている百々子を見ると、きれいな眼もとを崩して、ニッコリと笑いかけた。
我が家の楽園
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
唐檜
(
とうひ
)
が生えているあたり迄は段々で、それから上になると径は木の根や岩の上に出来ている。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
▼ もっと見る
加賀・能登辺では
唐檜
(
とうひ
)
すなわちアスナロの木をアテともクサマキともいっている。クサマキは臭槙である。この材木には一種の異香がある。アテに至ってはその義を説く者がない。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
そうして、
山榛
(
やまはん
)
の木、
沢胡桃
(
さわくるみ
)
などが、
悄然
(
しょうぜん
)
と、荒れ沢の中に散在している。栂、樅、
唐檜
(
とうひ
)
、白樺などは、山の
崕
(
がけ
)
に多く、水辺には、川楊や、土俗、水ドロの木などが、
疎
(
まばら
)
に、翠の髪を
梳
(
くしけず
)
っている。
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
百貫
(
ひゃっかん
)
山・東谷山・牛首山・黒部別山・針ノ木谷・東沢などには、
唐檜
(
とうひ
)
や
白檜
(
しらべ
)
或は落葉松の純林が真黒に繁っているのが見られる。
黒部峡谷
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
園丁
(
えんてい
)
はまた
唐檜
(
とうひ
)
の中にはいり
洋傘
(
ようがさ
)
直しは
荷物
(
にもつ
)
の
底
(
そこ
)
の
道具
(
どうぐ
)
のはいった引き出しをあけ
缶
(
かん
)
を持って水を
取
(
と
)
りに行きます。
チュウリップの幻術
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
私と慎太郎さんとは、立ったまま、ルックサックを
唐檜
(
とうひ
)
の根にもたせかけて、休んだ。非常に傾斜の急なところに路をつくったので、こんなことが出来るのであろう。
可愛い山
(新字新仮名)
/
石川欣一
(著)
木は
唐檜
(
とうひ
)
が多く、
飯櫃
(
めしびつ
)
の材料に、
挽
(
ひ
)
き板に製している、晃平を使いに立てて、一泊を頼んで見たが、聞き入れない、一行は急流に架けた木橋を渡って、能呂川の対岸に出ると、北岳が頭を圧すように
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
尾根は
石楠
(
しゃくなげ
)
其他の灌木に栂や
唐檜
(
とうひ
)
の若木が交って邪魔をする。時々振り返って後を見ると、南アルプスの雪が木の間に白くきらりと光る。
釜沢行
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
「まあ、そうですね、それでいいでしょう。ところが、おやおや、あんなでもやっぱりいいんですか。向うの
唐檜
(
とうひ
)
が何だかゆれて
踊
(
おど
)
り出すらしいのですよ。」
チュウリップの幻術
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
唐檜
(
とうひ
)
の下を四ツンばいに匐ったり、恐ろしく急な雪渓をカンジキもはかずに登ったり
可愛い山
(新字新仮名)
/
石川欣一
(著)
急いで荷を背負って左の尾根を下った。
唐檜
(
とうひ
)
の木立に這入ると切明けの跡が判然したので吻と安心する。又池があった、前のよりは少し大きい。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
ああそこにはクリスマストリイのようにまっ青な
唐檜
(
とうひ
)
かもみの木がたってその中にはたくさんのたくさんの
豆電燈
(
まめでんとう
)
がまるで千の
蛍
(
ほたる
)
でも集ったようについていました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
伐り倒された大木が朽ち残った白骨のような枯枝を縦横に逆立てている深い笹原を、
針蕗
(
はりぶき
)
に刺されながら泳ぎ抜けて、昼も暗い白檜
唐檜
(
とうひ
)
の深林に入った。
秋の鬼怒沼
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
ああそこにはクリスマストリイのようにまっ青な
唐檜
(
とうひ
)
かもみの木がたって、その中にはたくさんのたくさんの
豆電燈
(
まめでんとう
)
がまるで千の
蛍
(
ほたる
)
でも
集
(
あつ
)
まったようについていました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
信州梓山から四時間
許
(
ばか
)
りの楽な登りを続けた後、
白檜
(
しらべ
)
や
唐檜
(
とうひ
)
の茂った薄暗い林を抜けて、漸く急な斜面に
掛
(
かか
)
ると、間もなく頭の上がぱっと明るくなって
秩父の奥山
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
黒檜、
白檜
(
しらべ
)
、
唐檜
(
とうひ
)
などの針葉樹が岩の斜面にしっかりと根を下ろして、薄暗い蔭を
翳
(
かざ
)
している木の間伝いに、どこからともなく大嵐の吹きすさぶに似た音が響いて来る。
渓三題
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
若
(
も
)
し
偃松
(
はいまつ
)
の途切れた間や、
短矮
(
たんわい
)
な
唐檜
(
とうひ
)
白檜
(
しらべ
)
のまばらに散生している窪地や斜面に、
稍
(
や
)
や広い草原が展開して、
兎菊
(
うさぎぎく
)
、
信濃金梅
(
しなのきんばい
)
、
丸葉岳蕗
(
まるばだけぶき
)
、車百合などが黄に紅に乱れ咲き
鹿の印象
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
下り着いた鞍部は入川谷の木賊沢と
子酉
(
ねとり
)
川のヌク沢との分水点に当っている。
唐檜
(
とうひ
)
や
白檜
(
しらべ
)
の密生した梭葉草の多い小山を二つ踰えて、三つ目の山に懸った。この登りが飽きる程長い。
奥秩父の山旅日記
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
霧藻の垂れ下った
栂
(
つが
)
や
唐檜
(
とうひ
)
などの立派な針葉樹林である。
秩父宮殿下に侍して槍ヶ岳へ
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
“唐檜”の意味
《名詞》
唐檜(とうひ)
マツ科の常緑針葉樹。建築材料などに使用される。
(出典:Wiktionary)
“唐檜(トウヒ)”の解説
トウヒ(唐檜、学名:Picea jezoensis var. hondoensis)は、マツ科トウヒ属の常緑針葉樹。
北海道および北東アジアに広く分布する、エゾマツの変種。本州の紀伊半島大台ヶ原から中部山岳地帯を経て福島県の吾妻山までの、海抜1,500-2,500 mにかけての亜高山帯に分布する。
(出典:Wikipedia)
唐
常用漢字
中学
部首:⼝
10画
檜
漢検準1級
部首:⽊
17画
“唐”で始まる語句
唐突
唐
唐紙
唐土
唐桟
唐櫃
唐草
唐辛子
唐人
唐黍