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反吐
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へど
ふりがな文庫
“
反吐
(
へど
)” の例文
「当てつけではない」と去定が云った、「きさまの腐った根性で、この部屋は
反吐
(
へど
)
の出るほど臭い、その躯を自分でよく
嗅
(
か
)
いでみろ」
赤ひげ診療譚:08 氷の下の芽
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
伝統へのアンチテエゼが直ちに「水いらず」や「壁」や「
反吐
(
へど
)
」になり得ないところが、いわば日本文学の伝統の弱さではなかろうか。
可能性の文学
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
「また
反吐
(
へど
)
か、反吐を吐く前に、ちょっとあの景色を見なさい。あれを見るとせっかくの反吐も残念ながら収まっちまう」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ああ云ふ奴は男の目から見ると
反吐
(
へど
)
が出るやうだけれど、女にはどうだらうね、あんなのが女の気に入るのぢやないか」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
それとも、無責任といわれようとも、かかずらってはいられないほど、
反吐
(
へど
)
の出そうな存在で閑子はあるのだろうか。
妻の座
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
▼ もっと見る
「私小説の否定」というきょうの文学のやわたしらずの中で、三好十郎もまた吐くのは
反吐
(
へど
)
という姿にある。
五〇年代の文学とそこにある問題
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「そうね。
巴里
(
パリ
)
を立ってから、もう
幾日
(
いくんち
)
か知ら」「もうそろそろ
二月
(
ふたつき
)
だね。海峡でお前
反吐
(
へど
)
ついたでないか。西洋人の尼の奴もお前の側で反吐ついていたったね」
リギ山上の一夜
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
その
凄
(
すさま
)
じい亀裂の上に、電線が
反吐
(
へど
)
をはいたように入り乱れて地面を
匍
(
は
)
っていて、足の踏みこみようもない。ただ電柱が酔払いのように、あっちでもこっちでも寝ている。
棺桶の花嫁
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
宴席
(
えんせき
)
どなりの
空部屋
(
あきべや
)
へ
轉
(
ころ
)
げ
込
(
こ
)
むと、ぐたりと
寢
(
ね
)
たが、したゝか
反吐
(
へど
)
をついて、お
冷水
(
ひや
)
を
五杯
(
ごはい
)
飮
(
の
)
んだとやらで、ウイーと
受持
(
うけもち
)
の、
一番
(
いちばん
)
さんへ
床
(
とこ
)
を
取
(
と
)
りに
來
(
き
)
て、おや、
旦那
(
だんな
)
は
醉
(
よ
)
つて
轉
(
ころ
)
げてるね
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
胸がむか/\いたしますから虎ノ門の
傍
(
わき
)
で
反吐
(
へど
)
を
吐
(
つ
)
きました
梅若七兵衛
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あいつのつらを見るだけでも
反吐
(
へど
)
が出そうになる、だからおめえに殴らせてやったんだ、と松田権蔵は云った。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
反吐
(
へど
)
もどしていればいるほど形勢は
危
(
あや
)
うくなるだけであった。彼はほとんど行きつまった。しかし
間髪
(
かんはつ
)
を
容
(
い
)
れずという
際
(
きわ
)
どい
間際
(
まぎわ
)
に、
旨
(
うま
)
い口実が天から降って来た。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
反吐
(
へど
)
。
日記:31 一九四八年(昭和二十三年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「屁十や三島なんぞにそんなことを云われると
反吐
(
へど
)
が出そうになる、ひとを甘くみるとあとで後悔するよ」
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「将門か。うん、気燄を吐くより、
反吐
(
へど
)
でも吐く方が哲学者らしいね」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そう泰然と尻を
据
(
す
)
えちゃ困るな。まだ
反吐
(
へど
)
を吐きそうかい」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
反吐
(
へど
)
が出そうだな」
へちまの木
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
“反吐”の意味
《名詞》
一度飲食したものを嘔吐すること。また、そのもの。
(出典:Wiktionary)
反
常用漢字
小3
部首:⼜
4画
吐
常用漢字
中学
部首:⼝
6画
“反”で始まる語句
反
反古
反対
反駁
反身
反物
反故
反撥
反芻
反響