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厭々
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いやいや
ふりがな文庫
“
厭々
(
いやいや
)” の例文
健三は
厭々
(
いやいや
)
ながら同じ答を繰り返すより外に仕方がなかった。しかしそれが
何故
(
なぜ
)
だか彼らを喜こばした。彼らは顔を見合せて笑った。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
厭々
(
いやいや
)
であったが、持物といっては金属性の球だけをポケットにして、
饒舌
(
おしゃべり
)
なAや
気難
(
きむずか
)
し屋なBと共々打ち連れて、先ず都を
指
(
さ
)
して旅にのぼった。
吊籠と月光と
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
といって、それをも
止
(
や
)
めて了っては、
早速
(
さっそく
)
其日の暮しにも困るので、
厭々
(
いやいや
)
ながら、いつまでも下積み三文文士の生活を続けて行く外はないのでした。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
すると彼は
厭々
(
いやいや
)
ながら言われたとおりの身振りをした。しかしだれの方をも見ず、眼を伏せ、やはり顔をそむけていた。彼は悲しかった。苦しんでいた。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
しかし、結局私には、寝室の歓楽よりも同志の制裁の方が怖ろしかったのです。それで、
厭々
(
いやいや
)
出掛けましたよ。
聖アレキセイ寺院の惨劇
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
▼ もっと見る
と、「
厭々
(
いやいや
)
やっているようだな。」その人の咎める声がした。そしてその人は足早に私のとこへきた。私はべそをかいた、幾分ふてくされた感じだったのだ。
その人
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
これらは
厭々
(
いやいや
)
素読を教はつたばかりだが、何百度と読まされたので、文句には今なほ微かに其頃の記憶が残り、『実語経』だけは粗ぼ意味も解してゐたと思ふ。
十歳以前に読んだ本:――明治四十五年六月『少年世界』の為に――
(新字旧仮名)
/
坪内逍遥
(著)
日本の言葉で云うと、もっと短かい名前だったようだけど……え?……その遊びの仕方を云ってみろって?……
厭々
(
いやいや
)
。……それは妾わざっと話さないでおくわ。
支那米の袋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
で、筆者が、通った旨を答えると、更に三人は娘が
厭々
(
いやいや
)
引張られて行きはしなかったかとたずねた。
「マリー・ロオジェ事件」の研究
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
今川家へのお気遣いで、わたくしを
厭々
(
いやいや
)
ながら妻としてお
在
(
い
)
でなさるのでございましょうが
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
厭
(
いや
)
だよ
厭
(
いや
)
だよお放しよ、なんてきたないんだろう、お前の手は。あぶらだらけで、ネチネチして、
蛭
(
ひる
)
だわ、蛭だわ、まるで、蛭だわ!
厭々
(
いやいや
)
! すいつこうッてのね。いよいよ蛭だわ。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
食べるのも飲むのも、彼女はまるで
厭々
(
いやいや
)
やっているような様子だった。
可愛い女
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
何の事は無い政宗は
厭々
(
いやいや
)
ながら
逐立
(
おいた
)
てられた形だ。政宗は
忌々
(
いまいま
)
しかったろうが理詰めに押されて居るので仕方が無い、
何様
(
どう
)
しようも無い。氏郷は理に乗って押して居るのである。グングンと押した。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
親父の顔で
厭々
(
いやいや
)
ながら多勢の子分どもを預っておりますが、七十を過ぎた親父の源太郎に万一の事があれば、惜し気もなく縄張を人にやって、堅気の商売をするだろう——と世間では言っております。
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
欽吾の財産を欽吾の方から無理に藤尾に譲るのを、
厭々
(
いやいや
)
ながら受取った顔つきに、文明の手前を
繕
(
つくろ
)
わねばならぬ。そこで謎が
解
(
と
)
ける。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そして彼はいつも、しまいには演奏しなければならなかった——
厭々
(
いやいや
)
ながらではあったが。そして演奏のあとでは、うまくひけなかったことを夜通し苦にした。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
私は
貴方
(
あなた
)
から送って下さった校正刷五百八十
頁
(
ページ
)
を今日
漸
(
ようや
)
く読み
了
(
おわ
)
りました。漸くというと
厭々
(
いやいや
)
読んだように聞こえるかも知れませんが、決してそんな訳ではないのです。
木下杢太郎『唐草表紙』序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼は生活のために
厭々
(
いやいや
)
ながら
出稽古
(
でげいこ
)
をし、そのかたわら、筆を執った。その作品は大気のうちに花咲く望みがなくて、色
褪
(
あ
)
せてき、空想的な非現実的なものとなっていった。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
仕方がなかったので、クリストフはかなり
厭々
(
いやいや
)
ながらピアノについた。彼はこう考えていた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
厭々
(
いやいや
)
ながらつながれてる芝居のことについては、彼女も自分の考えを述べてきかした。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
またちょっと眼を見開き、小さな溜息をもらし、そして
厭々
(
いやいや
)
ながら聞くことにした。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
子供はただぼんやりと父親の教えを聞くようになり始めた。きびしく叱りつけられると、
厭々
(
いやいや
)
ながらやりつづけた。
叱責
(
しっせき
)
はすぐにやってきた。彼は最も底意地悪い
機嫌
(
きげん
)
をそれに対抗さした。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
厭
漢検準1級
部首:⼚
14画
々
3画
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厭
厭味
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厭世
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