化石かせき)” の例文
私の観察したところによると、感じからいうと、日本の陸地が、化石かせきになって(陸地が化石になるというのはおかしい云い方だが)
地球要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
古今来ここんらいむなしゅうして、東西位とうざいいくしたる世界のほかなる世界に片足を踏み込んでこそ——それでなければ化石かせきになりたい。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
このようなことをるには、地中ちちゆううづまつてゐるそのふるほね化石かせきし、それを材料ざいりようとして研究けんきゆうするほかはありませんが
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
私たちはまっすぐにそのイギリス海岸を昨日きのうの処に行きました。それからていねいにあのあやしい化石かせきりはじめました。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ほら、おまえさんも知ってのとおり、岸べには、よく、みょうな石があるだろう。あれは、みんな虫が化石かせきしたものなのさ。
しかるに彼らの論ずるところをはたで聞くと、地質学者ちしつがくしゃ化石かせきを科学的に攻究こうきゅうするごとき調子がある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
源三郎は、さながら、石が化石かせきしたような平静な顔で
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
熊岡警官は、何を見たのか扉の間からヒラリと戸外におどり出た。バタンと扉はひとり手に閉まる。一秒、二秒、三秒……。空間も時間も化石かせきした。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その旅人とっても、馬をあつかう人の外は、薬屋くすりや林務官りんむかん化石かせきさがす学生、測量師そくりょうしなど、ほんのわずかなものでした。
種山ヶ原 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
かわへ出ている広い泥岩の露出で奇体きたいなギザギザのあるくるみの化石かせきだの赤い高師小僧たかしこぞうだのたくさんひろった。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
博士は石床いしどこの上にかけて、化石かせきになったように動かなかった。それから幾時間も動くこともできず、博士はそのままの形でいた。博士は気を失っていたのでも、睡っていたのでもない。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
蛹踊さなぎおどりとはそいつはあんまり可哀かわいそうです。すっかり悄気しょげ化石かせきしてしまったようじゃありませんか。」
チュウリップの幻術 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ところが、第三に、そのたまり水がしおからかった証拠しょうこもあったのです。それはやはり北上山地のへりの赤砂利から、牡蠣かきや何か、半鹹はんかんのところにでなければまない介殻かいがら化石かせきが出ました。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
銀河ぎんがステーション、銀河ぎんがステーションとう声がしたと思うと、いきなりの前が、ぱっと明るくなって、まるで億万おくまん蛍烏賊ほたるいかの火を一ぺんに化石かせきさせて、そらじゅうにしずめたというぐあい
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
化石かせきをさがしに来たんです。)化石も嘉吉かきちは知っていた。
十六日 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
 恐竜きょうりゅう化石かせきの向こうから。