)” の例文
みのりの秋は、秀吉に来たのである。秀吉はこの夏、大きな収穫をやった。それは、関白かんぱくとなり、初めて、豊臣姓とよとみせいてたことである。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
むかし、漢の高祖は、泗上しじょうの一亭長ていちょうから、身を興し、四百年の帝業をてた。しかし、漢室の末、すでに天数尽き、天下は治まらない。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あなたこそ魔魅跳梁まみちょうりょうを退けて、暗黒の国に楽土をて、乱麻らんまの世に道を示し、塗炭とたんの底から大民を救ってくれるお方にちがいない
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いずれにしても、戦いは、地震の頻度ひんどほどあった日本である。わけて戦国期の民は、その中に苦楽し、その下から新しい年々をてていた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかもいつかまた、村がち、町につづき、ひな節句せっくには、草餅をつき、秋の月見には、新酒で蕎麦そばを喰べたという。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここに、新しきをて、人文清新をきそい、久しく枯田衰煙こでんすいえんの歎きにあった民をしてみな再生のよろこびに会わしめる。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
医術の究明きゅうめいは、医術の無用になることを以て目標とし、法令の要旨は、法令の無き世をつるにあり、兵馬の理想は、兵馬なき平和を招来するにある。
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
てた鐘巻自斎という先生を訪ねてゆきますと、それは気の毒だと、入門をゆるされ、四年ほど修行するうち、もうよかろうと師にもいわれるまでになりました
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここに基業をてたが、計らずも、朕の義弟二人は害せられて、そのしゅうたる者はことごとく呉の国に在る。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは時の潮の真っ先に立つ人だ。その人にくだった天の使命だ。打破してはて、壊しては建て、その人は右顧左眄うこさべんしてはならない。一点の私もなければ民衆はついてゆく。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いま読み聞かせたのは、日本一州未来記というものの抜書ぬきがきの一節なのだ。——その未来記一巻は、かしこくも、この御寺みてらてられた聖徳太子の書きおかれた秘封なのだが」
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もともと藤原氏がて、藤原氏の保護のもとに、学院経済も維持されているためである。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大和の結崎ゆうさき田楽能でんがくのうの一座を開き、春日、法隆寺、東大寺などの仏会神事ぶつえしんじの催しごとも預かって、どうやら結崎一流の能舞のうまいを打ちて得ようかと、なお工夫の途中にござりまする。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
将来は、鬼一法眼きいちほうげんの伝を汲み、京八流の真髄しんずいを参酌して、吉岡流の一派をなされた拳法先生のごとく、自分も至らぬ身ながら一心に励んで、宮本流をてたいのが望みでございます。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
呉の強大と国力は日をうて優位になるばかりなので、宿老張昭はかたく、兵をいましめ、産業を興し、学校をて、農を励まし、馬を養って、ひたすら、他日にそなえながら、一面
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中国の探題たんだい羽柴筑前守と一介の茶弟子於福おふくとは、おのずから奉じゆく道はちがうが、世に楽土らくどて、人に益し、あわせて自分一箇も人間らしゅう達成してゆこうとする志に変りはない。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここは隣の南蛮寺と共にてられた附属耶蘇ヤソ学校であった。信長も寄附者のひとりだが、高山右近だのそのほかの帰依きえ大名が、材木から校舎の内の物まで、一切寄進して出来たものである。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれが、関白になり、豊臣姓をてたのにも、かれらしい挿話がある。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天下一の四条道場へ、のそのそやって来るのさえ、既によほど戸惑った奴でなければならんのに、拳法先生のごとく一流をてたいなどとは、身のほど知らずも、ここまでになれば珍重してよろしい。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ここに尊氏、直義の発願ほつがんによって、天龍寺をつ——」
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここにひとつの武門をつこともできるわけであった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)