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副食物
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ふくしよくぶつ
彼は一
般の
百姓がすることは
仕なくては
成らないので、
殊には
副食物として
必要なので
茄子や
南瓜や
胡瓜やさういふ
物も
一通りは
作つた。
三度とも
宜道の
好意で
白米の
炊いだのを
食べたには
食べたが、
副食物と
云つては、
菜の
煑たのか、
大根の
煑たの
位なものであつた。
彼の
顏は
自から
蒼かつた。
出る
前よりも
多少面窶れてゐた。
夏季の
忙しいさうして
野菜の
缺乏した
時には
彼等の
唯一の
副食物が
鹽を
噛むやうな
漬物に
限られて
居るので
それで
其の
蔬菜が
庖丁にかゝる
間は
口にこそつぱい
干菜や
切干やそれも
缺乏を
告げれば、
此れでも
彼等の
果敢ない
貯蓄心を
最も
發揮した
菜や
大根の
鹽辛い
漬物の
桶にのみ
其の
副食物を
求めるのである。