切捨きりすて)” の例文
最前から聞いて居れば手前は余程よっぽど付け上ってるな、此の町人はいわれなく切るのではない、余り無礼だにって向後きょうこういましめの為切捨きりすてるのだ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
遣す程にもし無禮ぶれい振舞ふるまひ致す者あらば切捨きりすてに致せ予が手打も同前なるぞと仰せらる主税之助は委細ゐさいかしこまり奉つると直に支度を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
よしや我身の妄執もうしゅうり移りたる者にもせよ、今は恩愛きっすて、迷わぬはじめ立帰たちかえる珠運にさまたげなす妖怪ようかい、いでいで仏師が腕のさえ、恋も未練も段々きだきだ切捨きりすてくれんと突立つったち
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
シモタ屋に料理茶屋、迷惑千万、火事場見物、切捨きりすて御免。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
見て赤川大膳は心中に驚き見透みすかされては一大事と氣をはげましいか山内やまのうち狂氣きやうきせしか上にたいし奉つり無禮の過言くわごんいで切捨きりすてんと立よりて刀のつかを掛るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
待受まちうけ切害せつがい致し首は切捨きりすて取隱とりかくし候へ共兩人とも衣類に覺え之ある而已のみならず悴共の事故手足てあし骸等からだとうにも覺え之あり相違なき儀に御座候加之そのうへみぎ死骸の傍邊に九助紙入かみいれおち有之これあり又紙入の中には島田宿藤八より九助へ送り候手紙も有之候事其節御檢使樣方御改め通りに御座候全く九助惣内夫婦を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)