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其許
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そこ
ふりがな文庫
“
其許
(
そこ
)” の例文
物もよう喰べなんだのであろう。
護良
(
もりなが
)
とちごうて、
其許
(
そこ
)
は生れながら体もひよわい、気もよわい。こういう世に生きるには、もっと心を
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「何を言わっしゃる、
当事
(
あてごと
)
もない、膝栗毛を見て泣くものがあろうかい。
私
(
わし
)
が事を言わっしゃる、
其許
(
そこ
)
がよっぽど捻平じゃ。」
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「——いつにない
其許
(
そこ
)
の
弱音
(
よわね
)
、正成がまいっても勝目がないとは、なんとしたことばだ。しかも
君前
(
くんぜん
)
、しかも今日の出陣を前に」
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こうまでこれを教うるものは、四国の
果
(
はて
)
にも
他
(
ほか
)
にはあるまい。あらかた人は分ったが、それとなく
音信
(
たより
)
も聞きたい。の、
其許
(
そこ
)
も黙って聞かっしゃい。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「では、あくまで
其許
(
そこ
)
は、朝廷と尊氏と和せというのか。そして、その
御使
(
みつかい
)
には、自分が尊氏を説きに
筑紫
(
つくし
)
へ行ってもよいとまで望むのか」
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
それは、——
其許
(
そこ
)
は——
自分
(
じぶん
)
の
口
(
くち
)
から
申兼
(
まをしか
)
ねる
次第
(
しだい
)
でありますけれども、
私
(
わたし
)
の
大恩人
(
だいおんじん
)
——いえ/\
恩人
(
おんじん
)
で、そして、
夢
(
ゆめ
)
にも
忘
(
わす
)
れられない
美
(
うつく
)
しい
人
(
ひと
)
の
侘住居
(
わびずまひ
)
なのであります。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
親房の
一徹
(
いってつ
)
には
儂
(
み
)
からして少々まいる。第一政治の直裁は、人間でなければできぬ。——
其許
(
そこ
)
がしきりと憎む尊氏にも、よいところはあると思う。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「や、平家以来の
謀叛
(
むほん
)
、
其許
(
そこ
)
の発議は珍らしい、
二方荒神鞍
(
にほうこうじんくら
)
なしで、
真中
(
まんなか
)
へ乗りやしょう。」
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
其許
(
そこ
)
も知っていよう。かの海賊岩松経家の手の者が、経家の密書をこれへもたらしてみえたのじゃ。それによれば」
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「まこと、怨霊
鎮
(
しず
)
めなどが目的でなく、正しい仏法の光揚なら、この夢窓も
其許
(
そこ
)
の
建立
(
こんりゅう
)
を手伝わぬわけにはゆかんが」
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夜前
(
やぜん
)
、右衛門ノ
佐
(
すけ
)
から何か聞かれたな。しかしお腹を立てられな。正成の諫奏、
其許
(
そこ
)
にたいして、容易ならざる儀を
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あのような
御諚
(
ごじょう
)
ではあっても、
御心
(
みこころ
)
のうちでは、
其許
(
そこ
)
の御真情を、おうれしく
思
(
おぼ
)
しめされていたにちがいありませぬ
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや
尼前
(
あまぜ
)
、六波羅にいた頃とは、大変りだ。
其許
(
そこ
)
たちの目から見たら、今の尊氏のすがたなど
羅刹
(
らせつ
)
のように見えようがな。……生きるか死ぬかだ。はははは」
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「士は士を知るとか。おなじ護送されるにも、
其許
(
そこ
)
のような武士に送られるのは、身の倖せであったよ」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「もし、助かったら、他日、恩賞の日、
其許
(
そこ
)
を武将の
叙位
(
じょい
)
の第一に推挙しよう。ああなにやら、
濶然
(
かつぜん
)
と、闇がひらけて来たような。……道誉、忘れ難い一夜だな」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「これは頼朝公の後室、二位ノ
禅尼
(
ぜんに
)
(政子)からわが家に伝わるものだが、出陣のはなむけに、
其許
(
そこ
)
へとらせる。この旗をかかげて、一日も早く兇徒を退治いたせ」
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さあれ、
其許
(
そこ
)
たち
母子
(
おやこ
)
は、朝敵のとがに
連
(
つら
)
なる者とはせぬ。——安住の地を与えてやろう、これにおれ——と仰せてはくださいましたが、なんぼうにも
居耐
(
いた
)
え
難
(
がと
)
うて
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「まったく、
其許
(
そこ
)
一人の智謀がよく今日を招来したのじゃ。勲功随一と申してよい。早々に、
伯耆
(
ほうき
)
船上山
(
せんじょうせん
)
のみかどの御本営へ、事のよしを使いにのぼせ、
奏聞
(
そうもん
)
に達しおくぞよ」
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其許
(
そこ
)
も御存知の土岐左近めが、公卿の
謀
(
たく
)
みに乗って、六波羅の討手をうけ、あのような馬鹿な最期をとげたため、この方までが、とんだ飛ばッちりをうけるところでおざったよ。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なんといっても、
其許
(
そこ
)
はやはり幕臣であろ。盟約のてまえ、打ち明けがたい」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、こちらも
理不尽
(
りふじん
)
。気にかけられるな。……ところで、
其許
(
そこ
)
の名は」
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「みな、
其許
(
そこ
)
のお蔭」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其許
(
そこ
)
(頼尚)を初め
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「正行とは
其許
(
そこ
)
か」
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其
漢検準1級
部首:⼋
8画
許
常用漢字
小5
部首:⾔
11画
“其許”で始まる語句
其許様
其許樣
其許方
其許之
其許迄
其許達