先月せんげつ)” の例文
先月せんげつ中より永々なが/\の病氣にて臥居ふしをり中々長庵方などへ參り候事是無く勿論先月中一兩度も近所の事故藥取に參り候が其時の事にて有りしがあめはれ候故不思つひかさ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
くはしことあづかるが、水上みなかみさんは、先月せんげつ三十一にちに、鎌倉かまくら稻瀬川いなせがは別莊べつさうあそんだのである。別莊べつさうつぶれた。家族かぞく一人いちにん下敷したじきんなすつた。が、無事ぶじだつたのである。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その晩はそれぎり何の気もつかずに寝てしまった。すると明日あくるひの朝さいが来て枕元にすわるや否や、実はあなたに隠しておりましたが長与ながよさんは先月せんげつ五日いつかくなられました。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
うたれ夫にて概略およそわかつたり先月せんげつ初旬はじめ了源寺の所化しよげいつはりたる坊主はまさしく其の願山で有うと何樣なにさま其方の別懇べつこんにする曲者ならん此儀はどうぢやと思ひがけなき事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つい先月せんげつ中旬ちうじゆんである。はじめて外房州そとばうしうはうへ、まことに緊縮きんしゆく旅行りよかうをした、そのとき——
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)