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僭上
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せんじやう
ふりがな文庫
“
僭上
(
せんじやう
)” の例文
と
言
(
い
)
ふ、
牛切
(
ぎうき
)
りの
媽々
(
かゝあ
)
をたとへもあらうに、
毛嬙飛燕
(
まうしやうひえん
)
も
凄
(
すさま
)
じい、
僭上
(
せんじやう
)
の
到
(
いた
)
りであるが、
何
(
なに
)
も
別
(
べつ
)
に
美婦
(
びふ
)
を
讚
(
ほ
)
めるに
遠慮
(
ゑんりよ
)
は
要
(
い
)
らぬ。
其處
(
そこ
)
で
鑑定
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
御隱殿裏の百姓地で、この上もなく閑靜なところですが、寮はなか/\の構へで、町人の住居にしては、少し
僭上
(
せんじやう
)
らしく見えます。
銭形平次捕物控:217 歎きの幽沢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あなたに
僭上
(
せんじやう
)
を云つたものとして、
併
(
しか
)
しながらあの時にA子さんやH子さんのことをあなたの相手として考へたやうに、今も四人や五人はそんな人のあつた
方
(
はう
)
が
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
この節はもう、金持ちの町人の
奢
(
おご
)
り
僭上
(
せんじやう
)
も相當で、小大名や旗本御家人などは、及びもつかぬ暮し向でした。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
臺所
(
だいどころ
)
の
豪傑儕
(
がうけつばら
)
、
座敷方
(
ざしきがた
)
の
僭上
(
せんじやう
)
、
榮耀榮華
(
えいえうえいぐわ
)
に
憤
(
いきどほり
)
を
發
(
はつ
)
し、しや
討
(
う
)
て、
緋縮緬小褄
(
ひぢりめんこづま
)
の
前
(
まへ
)
を
奪取
(
ばひと
)
れとて、
竈將軍
(
かまどしやうぐん
)
が
押取
(
おつと
)
つた
柄杓
(
ひしやく
)
の
采配
(
さいはい
)
、
火吹竹
(
ひふきだけ
)
の
貝
(
かひ
)
を
吹
(
ふ
)
いて、
鍋釜
(
なべかま
)
の
鎧武者
(
よろひむしや
)
が
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
江島屋の構へは町人にしては
贅
(
ぜい
)
に過ぎるほどで、四方にめぐらした板塀の嚴重さ、その上に植ゑた忍び返しは、天に向つて振り立てた、無氣味な武器にも似て、
僭上
(
せんじやう
)
の限りです。
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
寒国
(
かんごく
)
では、
恁
(
か
)
うして
炉
(
ろ
)
を
切
(
き
)
つた
処
(
ところ
)
がある。これは
夏
(
なつ
)
の
待遇
(
もてなし
)
に
違
(
ちが
)
ひない。
贅沢
(
ぜいたく
)
なものだ。
昔
(
むかし
)
僭上
(
せんじやう
)
な
役者
(
やくしや
)
が
硝子張
(
がらすばり
)
の
天井
(
てんじやう
)
に
泳
(
およ
)
がせて、
仰向
(
あふむ
)
いて
見
(
み
)
たのでさへ、
欠所
(
けつしよ
)
、
所払
(
ところばら
)
ひを
申
(
まを
)
しつかつた。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
西陣
(
にしぢん
)
の織物を一手に
捌
(
さば
)
いた本家福屋の番頭から仕上げた善兵衞が、
暖簾
(
のれん
)
を分けて貰ふと、公儀に
讒訴
(
ざんそ
)
をして、
天草
(
あまくさ
)
の旗指物を引受けたとか、身分不相應の
奢侈
(
しやし
)
僭上
(
せんじやう
)
に
耽
(
ふけ
)
つたとか
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
本人は
大通
(
だいつう
)
中の大通のやうな心持で居るのですが、金持の獨りつ子らしく育つて居る上に、人の意見の口を
塞
(
ふさ
)
ぐ程度に才智が廻るので、番頭達も、親類方も、その
僭上
(
せんじやう
)
振りを苦々しく思ひ乍ら
銭形平次捕物控:054 麝香の匂ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次はそれとなく、
僭上
(
せんじやう
)
沙汰の凉み船のことに觸れると
銭形平次捕物控:201 凉み船
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
僭
漢検1級
部首:⼈
14画
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“僭上”で始まる語句
僭上者
僭上傲慢
僭上沙汰