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何刻
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なんどき
ふりがな文庫
“
何刻
(
なんどき
)” の例文
もう
何刻
(
なんどき
)
ごろか。表の方では、花聟の列でも着いたのか、
銅鑼
(
どら
)
や太鼓の音。そして“聟迎えの
俚歌
(
さとうた
)
”などが賑やかに聞えだしている。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ゆうべ何処へ行って、
何刻
(
なんどき
)
に帰って来たかと詮議すると、旦那は五ツ(午後八時)頃に出て行って、四ツ少し過ぎに帰って来たらしい。
半七捕物帳:44 むらさき鯉
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「お
爺
(
じじ
)
よ、お爺よ、
何刻
(
なんどき
)
もこの世に居らぬものを、なにをのどかに暇どっていなさる……早う、お斎の仕度をせんけれゃ」
生霊
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
自分はすぐ、この奥まった
座敷
(
ざしき
)
に独り残って、好きな
謡曲
(
ようきょく
)
の
稽古
(
けいこ
)
をはじめた。あれから
何刻
(
なんどき
)
も経っていないはずである。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
何刻
(
なんどき
)
経ったか知れねえが、眼を覚してみると——親分の前だが、あれが本当の極楽というものかも知れませんよ」
銭形平次捕物控:088 不死の霊薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
「袴なんぞ構っちゃいられないんです、いま
何刻
(
なんどき
)
ぐらいですかね、ああいけない」彼は箸を
抛
(
ほう
)
りだして懐中を探り、
蒼
(
あお
)
くなって飯茶碗も置いて、飯茶碗は畳の上へ転げ落ちたが
思い違い物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
いったい、
何刻
(
なんどき
)
なんでしょう、たった今、鐘の音が一つ聞えたばっかりで、あとは聞えません、七ツの時が六ツ鳴りて……七ツにも、六ツにも、ここでは、さっぱりわかりません。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それを知っていたら、今もう
何刻
(
なんどき
)
だと思ってるんだ。やがて六ツになるじゃねえか。
右門捕物帖:34 首つり五人男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「おめえが、お由利さんの部屋へ這入ったのア、
何刻
(
なんどき
)
だった?」
乳を刺す:黒門町伝七捕物帳
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「
東馬
(
とうま
)
もう
何刻
(
なんどき
)
であろう?」
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「左様——この
暗
(
やみ
)
では、奇異な装剣も、
切羽
(
せっぱ
)
の
象嵌
(
ぞうがん
)
も、よく見ることはできなかろう。おう、時に万殿、
何刻
(
なんどき
)
であろう」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「今日、山の上であの騒ぎのある少し前に、馬道の良助が、ここで着物を変えたそうだ。それは、
何刻
(
なんどき
)
だったろう」
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
壁の根に背をあずけてコクリコクリやっていると——
何刻
(
なんどき
)
経ったか、ふと、しきりに
頭髪
(
あたま
)
にさわるものがあるので、右近は夢中で手をやって払い
退
(
の
)
けた。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そのあいだに
何刻
(
なんどき
)
ほど経ったか。かれは
固
(
もと
)
より記憶していなかったが、唯さえ静かな家中がしんとして、夜ももう余ほど更けているらしいと思う頃に、次の間の畳を滑るような足音が微かに響いた。
半七捕物帳:07 奥女中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「お待ち申すことは約束だが、際限なくこうしてはおられん。お名残の時刻を限っていただきたい。
何刻
(
なんどき
)
まで——と」
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、此處で宜い、格子を開けるまでも無いが——今晩平松屋の旦那が
此家
(
こゝ
)
から歸つたのは、
何刻
(
なんどき
)
だつた」
銭形平次捕物控:282 密室
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そういえば、
何刻
(
なんどき
)
、あるいは幾日気絶していたものか。あたしにはてんで時の覚えというのがないのだから。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「そりゃあ
何刻
(
なんどき
)
だ」
半七捕物帳:47 金の蝋燭
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「いや、ここで
宜
(
い
)
い、格子を開けるまでもないが——今晩平松屋の旦那が
此家
(
ここ
)
から帰ったのは、
何刻
(
なんどき
)
だった」
銭形平次捕物控:282 密室
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
何刻
(
なんどき
)
ほどたったか……フと寝返りをうった源三郎は、
瞼
(
まぶた
)
に、ほのかに
光線
(
ひかり
)
を感じて、うす眼をあけました。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「なあに、寝ちゃあいないよ。いい気持であの
水調子
(
みずちょうし
)
を聞き
惚
(
ほ
)
れていたのさ。……今
何刻
(
なんどき
)
だえ」
春の雁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「脅かしの手紙は五日目まで来たと言いましたね。その晩お嬢さんが庭へ出ていたのは
何刻
(
なんどき
)
ごろでした」
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「たれが、わざわざこんな所まで来て、嘘をいうか。いま、
何刻
(
なんどき
)
だとおもう」
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「夢なんです。」微笑して、「
何刻
(
なんどき
)
でござんしょう。」
あの顔
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
父親が昨夜
何刻
(
なんどき
)
に出て何刻に帰ったかも知らず、今朝佐久間町へ行ったことが知れて、ひどく父親に叱られた、という以外には何にも
纏
(
まと
)
まったことは
掴
(
つか
)
めません。
銭形平次捕物控:095 南蛮仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
『……ああ、又酔ったか。こ、これはいかん、もう
何刻
(
なんどき
)
か?』
濞かみ浪人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何人斬ったか、
何刻
(
なんどき
)
たったか。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
脅
(
おど
)
かしの手紙は五日目まで來たといひましたね。その晩お孃さんが庭へ出てゐたのは
何刻
(
なんどき
)
頃でした」
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「こよい、深夜の干潮は、正しくは
何刻
(
なんどき
)
ごろに相なるな?」
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「もはや
何刻
(
なんどき
)
であろうの?」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「そいつには大した用事がなかったんだよ。ところでお神さん、毒は
何刻
(
なんどき
)
ほど経って効き始めたんだ」
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
『や? おれは。……しまった。もう、
何刻
(
なんどき
)
だろう』
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「八、大急ぎで明神様へ行って、境内に居る子供達に、昨日の夕方の事を聴いて来てくれ。どんな事をして遊んで、
何刻
(
なんどき
)
頃迎いの者が来たか、その風体と人相が大事だ」
銭形平次捕物控:050 碁敵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「もう
何刻
(
なんどき
)
であろうかの」と弦之丞。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「八、大急ぎで明神樣へ行つて、境内にゐる子供達に、昨日の夕方の事を聽いて來てくれ。どんな事をして遊んで、
何刻
(
なんどき
)
頃迎ひの者が來たか、その風體と人相が大事だ」
銭形平次捕物控:050 碁敵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「時に粂吉、もう
何刻
(
なんどき
)
だろうな」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お前さんの、
昨夜
(
ゆうべ
)
帰った時刻は、誰も知らないようだが、本当のところは、
何刻
(
なんどき
)
だったろう」
銭形平次捕物控:048 お藤は解く
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「幽古。
何刻
(
なんどき
)
だな? いまは」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お前さんの、昨夜歸つた時刻は、誰も知らない樣だが、本當のところは、
何刻
(
なんどき
)
だつたらう」
銭形平次捕物控:048 お藤は解く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「もう
何刻
(
なんどき
)
でしょう、松虫様」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
幾度か醒めては、広間の様子を覗き、幾度か気を
喪
(
うしな
)
っては
何刻
(
なんどき
)
となく深い眠りに
陥
(
お
)
ちました。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いや。……いま
何刻
(
なんどき
)
だな」
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
矢來
(
やらい
)
の酒井樣御下屋敷に
紛
(
まぎ
)
れ込んで、昨夜津志田樣の中間の半次が、宵のうちに來たか來なかつたかそれを訊いて貰ひたいよ。若し來たとしたら、
何刻
(
なんどき
)
に來て何刻に歸つたか」
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「……はや、
何刻
(
なんどき
)
じゃ」
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
他に業平の房吉と、權右衞門の妾の中の郷の師匠お朝の動きも調べ度い。——店を
何刻
(
なんどき
)
に出て、向うへ何刻に行つて、何處を何う歩いて、何刻に戻つたか、詳しく訊いてもらひ度いが
銭形平次捕物控:276 釣針の鯉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いま
何刻
(
なんどき
)
か」とか
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「店を抜け出して来るのも容易じゃございません。今は
何刻
(
なんどき
)
でございましょう」
銭形平次捕物控:038 一枚の文銭
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いまは
何刻
(
なんどき
)
か?」
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「店を拔け出して來るのも容易ぢや御座いません。今は
何刻
(
なんどき
)
で御座いませう」
銭形平次捕物控:038 一枚の文銭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いま、
何刻
(
なんどき
)
か」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
刻
常用漢字
小6
部首:⼑
8画
“何刻”で始まる語句
何刻頃