じゅう)” の例文
余は既に幾度いくたびか木にて造り紙にて張りたる日本伝来の家屋にじゅう春風秋雨しゅんぷうしゅうう四季の気候に対する郷土的感覚の如何を叙述したり。
浮世絵の鑑賞 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
われらも穢土えどの衆苦を去って、常寂光じょうじゃっこうの中にじゅうそうには伊勢物語をそのままの恋をするよりほかはあるまい。何と御身おみもそうは思われぬか。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
また、いくばくもなく、南都に遊び洛内にじゅうし、いつか東寺とうじ長者ちょうじゃ、醍醐の座主ざすにまで補せられて、四曼三密しまんさんみつ棟梁とうりょうと、人もゆるし、みずからもすこの文観もんかん
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二、四、じゅう六の法式のうちの、第三、常乞食じょうこつじきの法が自然に十二行の中枢たるの観を為すに至っているので、頭陀行をすると云えば乞食をするということのようになっている。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「菩薩は智慧を以ての故に、生死しょうじじゅうせず、慈悲を以ての故に、涅槃ねはんに住せず」
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
余は既に幾度いくたびか木にて造り紙にて張りたる日本伝来の家屋にじゅう春風秋雨しゅんぷうしゅうう四季の気候に対する郷土的感覚の如何いかんを叙述したり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
今もじいの申した通り、この狭い洛中でさえ、桑海そうかいへん度々たびたびあった。世間一切の法はその通り絶えず生滅遷流せいめつせんりゅうして、刹那もじゅうすと申す事はない。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
二十歳はたちにして(今、二十四)天台座主てんだいざすの任に就かれ、去年、座主を御弟の尊澄そんちょう法親王に譲られた後も、叡山大塔のじゅうを動くなく、ひそかに山門の僧兵を練って「時こそ」と
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「申しおくれました。——下野国しもつけ足利ノ庄のじゅう貞氏さだうじの次男、足利又太郎高氏たかうじといいまする。十五で元服の折、治部大輔じぶのたゆう、従五位下をいただきましたが、何もわからぬ田舎者で」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「祖先以来、岩国のじゅう、姓は佐々木といい、名は小次郎と親からもらい、また剣名を岸柳ともよぶ人間はかくいう私であるが——はて、いつのまに、佐々木小次郎が世間に二つできたのだろうか」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて羅真人らしんじんじゅうす道教寺の石階を踏み、上を仰ぐと、山門のがく
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「わしは、摂津ノ住吉のじゅう、具足師の柳斎という者じゃが」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぎょうじゅう
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)