仕事師しごとし)” の例文
其時そのとき六十九になる、仕事師しごとしかしらといふほどではないが、世話番せわばんぐらゐの人に聞くと、わたし塩原しほばらいへ出入でいりをしてゐたが、こまかいことは知りませぬといふ。
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
にんは三じやくおびつツかけ草履ぞうり仕事師しごとし息子むすこ、一にんはかわいろ金巾かなきん羽織はをりむらさき兵子帶へこおびといふ坊樣仕立ぼうさましたておもことはうらはらに、はなしはつねちがひがちなれど
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そのなかで仕事師しごとしのおかみさんが、その後の成行きを一番よく知っていて、みんなに話して聞かせました。
蜘蛛の夢 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
仕事に重きを置いて人となりをかえりみぬであろうが、しかし真に偉大なる効果を挙ぐる仕事師しごとしは、その人格においても人並み以上たらねばならぬことがだんだんに分かって来はせぬか。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
成程なるほど先刻さつきみせ田舎者ゐなかもの土左衛門どざゑもんだから、悪人あくにんながらも心持こゝろもちはしない、慄立よだつたが、土左衛門どざゑもん突出つきだしてしまへとふので、仕事師しごとし手鍵てかぎつてたり
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
桟橋さんばし車力しやりき二人ふたり即死そくししてしまひ、仕事師しごとし一人ひとりちがつてしまつたとさわぎ。
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)