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五年
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ごねん
兔も
角も
此決心が
定まるや、
彼は
更に
五年の
間眞黒になつて
働きそして、
遂に一の
小學校を
創立して、これを
大島仁藏の
一子大島伸一に
獻じ
五年前、
彼が
横須賀の
軍港に
於て
永き
袂別を
私に
告ぐる
時、
彼は
决然たる
顏色を
以て
言つたです「
今より五
年の
後には、
必ず
一大功績を
立てゝ、
君に
再會する
事が
出來るだらう」
五年とは
經たぬのに——
浮りした。
無論、
絶海の
孤島であれば、
三年や
五年の
間に
他國の
侵犯を、
蒙るやうな
事はあるまいが、
安心のならぬは
現に
弦月丸の
沈沒の
結果、
偶然にも
此島に
漂着した
吾等兩人の
實例に
照しても