“やなぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヤナギ
語句割合
55.2%
30.4%
楊柳7.2%
楊樹2.2%
柳樹1.1%
白楊1.1%
三十三0.6%
小柳0.6%
柳枝0.6%
柳裏0.6%
水楊0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
六条ろくじょう 千春ちはる 平河ひらかわみね子 辰巳たつみ 鈴子すずこ 歌島かしま 定子さだこ やなぎ ちどり 小林こばやし 翠子すいこ 香川かがわ 桃代ももよ 三条さんじょう 健子たけこ 海原かいばら真帆子まほこ くれない 黄世子きよこ
間諜座事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
至るところの緑野にポプラややなぎの並み木がある。日が暮れかかって、平野の果てに入りかかった夕陽は遠い村の寺塔を空に浮き出させた。
旅日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
俥が橋を渡り尽すと、路は少し低くなつて、繁つた楊柳やなぎの間から、新しい吉野の麦藁帽が見える。橋はその時まで、少し揺れてゐた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
枝という枝は南向に生延びて、冬季に吹く風のつよさも思いやられる。白樺は多く落葉して高く空に突立ち、細葉の楊樹やなぎうずくまるように低く隠れている。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
だが、加茂かもの堤に出ると、咸陽宮かんようきゅう唐画からえにでもありそうな柳樹やなぎの並木に、清冽せいれつな水がながめられて、ひやりと、顔へ、がみのような風があたる。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しおらしくみどりの糸をたれる柳、まして三十三やなぎ間堂のお柳と同じ名で自分の心とはまるであべこべだと云っていやがったのだ。
お女郎蜘蛛 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
虚言うそけ」と、保さんはしっした。取組は前から知っていて、小柳やなぎが陣幕の敵でないことを固く信じていたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
烈風は、いっそう速度をあつめて、戸外に積み上げた石を撫でる柳枝やなぎの音が、遠浪の崩れるように、おどろおどろしく聞えていた。
人々ひとみを凝らして之を見れば、年齒としは十六七、精好せいがうの緋の袴ふみしだき、柳裏やなぎ五衣いつゝぎぬ打ち重ね、たけにも餘る緑の黒髮うしろにゆりかけたる樣は、舞子白拍子の媚態しなあるには似で
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
両側に植え付けられている水楊やなぎはすでに黄色い芽をふいて、さんさんと降る暖かい初春の日光に、ほのかな匂いを漂わせていた。
錦紗 (新字新仮名) / 犬田卯(著)