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楊柳
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やなぎ
ふりがな文庫
“
楊柳
(
やなぎ
)” の例文
で、初めは
楊柳
(
やなぎ
)
で作りましたが、後にはいろ/\の貴い材料で作り、
繼弓
(
つぎゆみ
)
にして
金爛
(
きんらん
)
の袋などに入れて持つて歩くやうになりました。
銭形平次捕物控:040 兵庫の眼玉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
俥が橋を渡り尽すと、路は少し低くなつて、繁つた
楊柳
(
やなぎ
)
の間から、新しい吉野の麦藁帽が見える。橋はその時まで、少し揺れてゐた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
舷
(
ふなべり
)
に触れて
囁
(
つぶや
)
くやうに動揺する波の音、
是方
(
こちら
)
で思つたやうに聞える眠たい櫓のひゞき——あゝ静かな水の上だ。
荒寥
(
くわうれう
)
とした岸の
楊柳
(
やなぎ
)
もところ/″\。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
後日、浪子燕青は、この淫婦姦夫の身柄を貰って、
水寨
(
すいさい
)
の
畔
(
ほとり
)
へ連れて行き、
楊柳
(
やなぎ
)
の幹にしばり付けたふたりを、短刀のただ一ト突きのもとに成敗した。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それはまるで坂口の知らない光景であった。青々と伸びた
楊柳
(
やなぎ
)
の葉がくれに、白く塗った洋館が見えてきた。
P丘の殺人事件
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
▼ もっと見る
果して半畝位の庭があって、細かな草が
毛氈
(
もうせん
)
を敷いたように生え、そこの
逕
(
こみち
)
には
楊柳
(
やなぎ
)
の花が米粒を
撒
(
ま
)
いたように散っていた。そこに
草葺
(
くさぶき
)
の三本柱の
亭
(
あずまや
)
があって、花の木が枝を交えていた。
嬰寧
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
鬱蒼
(
こんもり
)
と
楊柳
(
やなぎ
)
かがやくまさびしき遠き入江に日の移るなり
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
よるも
楊柳
(
やなぎ
)
の木影にうち伏し
神に捧ぐる歌
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
俥が橋を渡り盡すと、路は少し低くなつて、繁つた
楊柳
(
やなぎ
)
の間から、新らしい吉野の麥藁帽が見える。橋はその時まで、少し
搖
(
ゆ
)
れてゐた。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
矢は二本共
楊柳
(
やなぎ
)
の枝で造つた本格のもの、どんな急所を射たところで、人の命などを奪れさうな代物ではありませんが。
銭形平次捕物控:315 毒矢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
楊柳
(
やなぎ
)
の蔭には、
小博奕
(
こばくち
)
に群れているのやら、寝ている者、
欠伸
(
あくび
)
している者、さまざまだった。漁船の舟かずは百隻をこえようか、それがみんな岸に繋いである。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
千曲川の水は黄緑の色に濁つて、声も無く流れて遠い海の方へ——其岸に
蹲
(
うづくま
)
るやうな低い
楊柳
(
やなぎ
)
の枯々となつた
光景
(
さま
)
——あゝ、依然として
旧
(
もと
)
の通りな山河の眺望は、一層丑松の目を
傷
(
いた
)
ましめた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
南岸は崖になつてゐるが、北の岸は低く河原になつて、
楊柳
(
やなぎ
)
が密生してゐる。水近い礫の間には可憐な
撫子
(
なでしこ
)
が處々に咲いた。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
その
辺
(
あた
)
りは、七条坊門やら、塩小路、
楊柳
(
やなぎ
)
小路などの細かい人家が
櫛比
(
しっぴ
)
している所だったが、焼けたのは、
六波羅勤
(
ろくはらづと
)
めの侍屋敷一軒だった。金田鳥羽蔵正武の屋敷だった。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
言うまでもなくこれは寸法二尺八寸の極めて小さい弓で、初めは
楊柳
(
やなぎ
)
で作りましたが、後にはいろいろの貴い材料で作り、
継弓
(
つぎゆみ
)
にして
金爛
(
きんらん
)
の袋などに入れて持って歩くようになりました。
銭形平次捕物控:040 大村兵庫の眼玉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
南岸
(
みなみぎし
)
は崖になつてゐるが、北の岸は低く河原になつて、
楊柳
(
やなぎ
)
が密生してゐる。水近い
礫
(
こいし
)
の間には
可憐
(
いたいけ
)
な
撫子
(
なでしこ
)
が処々に咲いた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
彼は、馬を降りて、水辺の
楊柳
(
やなぎ
)
につなぎ、一基の石を河原の小高い土にすえて、牛を斬り、馬を
屠
(
ほふ
)
った。そして典韋の
魂魄
(
こんぱく
)
をまねくの
祀
(
まつり
)
をいとなみ、その前に礼拝して、ついには声を放って
哭
(
な
)
いた。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“楊柳”の意味
《名詞》
やなぎ。楊は川柳、柳は枝垂れ柳のこと。
(出典:Wiktionary)
楊
漢検準1級
部首:⽊
13画
柳
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
“楊柳”で始まる語句
楊柳観音
楊柳原
楊柳長堤
楊柳杏花村的