“かわやなぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
楊柳38.1%
川楊28.6%
川柳9.5%
河楊9.5%
水楊4.8%
楊樹4.8%
檉柳4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
台下にはちらりほらり、貧しそうな農家は有るが、新利根川べりには一軒も無く、唯蘆荻あし楊柳かわやなぎが繁るのみで、それもだ枯れもやらず、いやに鬱陶うっとうしく陰気なので有った。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
ある川のふちの泥の中にころがりながら、川楊かわやなぎの木の空を見ていると、母親の裙子くんしだの、女の素足すあしだの、花の咲いた胡麻ごま畑だのが、はっきりその空へ見えたと云うのだが。
首が落ちた話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
四人は昼の暑さのために葉を巻いていた川柳かわやなぎがだらりと葉を延ばして、ひと呼吸いきつこうとでもしているように思われる処を通って、下手しもての方へ往った。
赤い土の壺 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
谷の幅が少し広くなって、やや西南の方向を指すようになると、細かい沙地に河楊かわやなぎなどのこんもり生えている場所に来た、傍の林の中には古い小屋の屋根が見えなどする。ここが今宵の野営地であった。
水楊かわやなぎや樺や大杖おおいたどりなどが茂りに茂って、ここは若々しい青葉の緑が流れている。南に面した岩屋の背後は東側が四、五尺の高さに深くえぐれて、十余人は楽に泊れる洞窟を形造っている。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
直ぐそば水楊かわやなぎの林で鶯が囀ずる。其声に送られてここを出掛けた。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
それから土地によると、両側に長葉の楊樹かわやなぎえてあり、路傍の人家も努めてその蔭に寄って住もうとしている。この木の幹はまた思い切って黒い。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
秋とはいっても北地のこととて、苜蓿うまごやしも枯れ、にれ檉柳かわやなぎの葉ももはや落ちつくしている。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)