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川楊
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かわやなぎ
ふりがな文庫
“
川楊
(
かわやなぎ
)” の例文
青い田の中を
蝙蝠傘
(
こうもりがさ
)
をさした人が通る、それは町の裏通りで、そこには路にそって里川が流れ、
川楊
(
かわやなぎ
)
がこんもり茂っている。森には
蝉
(
せみ
)
の鳴き声が
喧
(
かまびす
)
しく聞こえた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
ある川のふちの泥の中にころがりながら、
川楊
(
かわやなぎ
)
の木の空を見ていると、母親の
裙子
(
くんし
)
だの、女の
素足
(
すあし
)
だの、花の咲いた
胡麻
(
ごま
)
畑だのが、はっきりその空へ見えたと云うのだが。
首が落ちた話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
両岸は
川楊
(
かわやなぎ
)
の古木の林になっていて、ちょうどその
梢
(
こずえ
)
が旅館の庭の、緑の芝生と平らであった。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
此処では河が二股に岐れて中央に島が横たわり、島は細かい砂に蔽われて、二
抱
(
かかえ
)
もある大きなドロヤナギや
川楊
(
かわやなぎ
)
などが鬱蒼と茂っているし、
夫
(
それ
)
に交って
栂
(
つが
)
や
白檜
(
しらべ
)
や唐松などもありました。
日本アルプスの五仙境
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
追々と開けて来る梓川の河原に林をなして生え茂ったドロ柳や
川楊
(
かわやなぎ
)
のしなやかな枝葉が河風に翻るのを美しと眺めて、足触りの柔い原始林の道を一直線に辿り、
徳本
(
とくごう
)
峠の道と合してから
秩父宮殿下に侍して槍ヶ岳へ
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
▼ もっと見る
川筋には青い
蘆
(
あし
)
が、
隙間
(
すきま
)
もなくひしひしと生えている。のみならずその蘆の間には、
所々
(
ところどころ
)
に
川楊
(
かわやなぎ
)
が、こんもりと円く茂っている。だからその間を縫う水の
面
(
おもて
)
も、川幅の割には広く見えない。
尾生の信
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
土を食い虫を食い口が渋くなったということを、彼もまた中国の田舎の方言を以て
談
(
かた
)
っていたのである。
画眉鳥
(
ほおじろ
)
が杉や
川楊
(
かわやなぎ
)
などの最上端にとまって、青い天地を眺めつつ啼く声まで、我々には
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
が、彼は土と血とにまみれて、人気のない川のふちに
横
(
よこた
)
わりながら、
川楊
(
かわやなぎ
)
の葉が撫でている、高い
蒼空
(
あおぞら
)
を見上げた覚えがある。その空は、彼が今まで見たどの空よりも、奥深く蒼く見えた。
首が落ちた話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
この平地が次第に
緩
(
ゆる
)
い斜面をつくって、高粱と高粱との間を流れている、幅の狭い濁り川が、
行方
(
ゆくて
)
に
明
(
あかる
)
く開けた時、運命は二三本の
川楊
(
かわやなぎ
)
の木になって、もう落ちかかった葉を低い
梢
(
こずえ
)
に集めながら
首が落ちた話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
川
常用漢字
小1
部首:⼮
3画
楊
漢検準1級
部首:⽊
13画
“川”で始まる語句
川
川面
川柳
川上
川岸
川下
川原
川越
川端
川辺