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みがは
救ふには、
天守の
主人が
満足する、
自分の
身代りに
成るほどな、
木彫の
像を、
夫の
手で
刻んで
償ふ
事で。
其の
他に
助かる
術はない……とあつた。
其方儀
平生養母に孝行を盡し其上に先年
實父富右衞門御
所刑に相成候
節自分
身代りの儀願ひ
出候段是又實父
母へ孝心の至りに
思召され候之に依て御
褒美として
白銀三枚取せ
遣はす
有難く存ず可し
さあ、
身代りは
出来たぞ!
一目彼の
女を
見され、
即座に
法衣を
着た
巌と
成つて、
一寸も
動けまい、と
暗の
夜道を
馴れた
道ぢや、すた/\と
小家へ
帰つてのけた……