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ひきのこ
椿の
梢には、つい
此のあひだ
枯萩の
枝を
刈つて、その
時引殘した
朝顏の
蔓に、
五つ
六つ
白い
實のついたのが、
冷く、はら/\と
濡れて
行く。
利根川の
流が
汎濫して、
田に、
畠に、
村里に、
其の
水が
引殘つて、
月を
經、
年を
過ぎても
涸れないで、
其のまゝ
溜水に
成つたのがあります。……
うね/\と
薄く
光る
水二
条、
影も
見えない
船脚の
波に
引残されたやうなのが、
頭丸く
尖り
胴長くうねり、
脚二つに
分れて、たとへば(
号)が
横の(
八)の
字に
向合つて、
湖の
半を
領して
浮び
出た