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のうりよく
人は
人以上の
者になることは
出來ない、
然し
人は
人の
能力の
全部を
盡すべき
義務を
持て
居る。
此義務を
盡せば
則ち
英雄である、これが
先生の
英雄經です。
これを
文學の
上で
把持力といつて、
自分の
經驗をいつまでも
忘れずに、
握りしめる
力があつて、
機會があると、それを
文章に
現す
能力をいふのであります。
昔し
叔父の
家で、
是と
同じ
事を
遣らせられた
時は、
暇潰しの
慰みとして、
不愉快どころか
却つて
面白かつた
記憶さへあるのに、
今ぢや
此位な
仕事より
外にする
能力のないものと
ところが、
物質の
進化の
方面と、
精神上のことゝは
反對で、
複雜なものをだんだん
整頓して、
簡單にして
行く
能力の
出來て
來ることが、
文明の
進んでゆくありさまであります。