“とや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鳥屋68.9%
11.1%
鶏舎8.9%
窠宿2.2%
2.2%
瘡毒2.2%
2.2%
鳥舎2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると、ふいに、鳥屋とやのなかで、一羽の鵞鳥がけたゝましく鳴いたかと思ふと、たくさんの鵞鳥がいちどに、があがあ鳴きだしました。
エミリアンの旅 (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
夜になってとやへ入るのは何もかわったことはないけれど、何だかさみしそうで可哀相だねえ、母様おっかさんと二人ばかしになったって、お前、私が居れば可いじゃあないか。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二人で鶏を鶏舎とやへ始末をしてから、縁側の方へ戻って来ると、中村は愚かしい芳太郎に、いつも言って聞かせるようなことを、また繰り返した。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
降り続く大雪に、伯母おばに逢ひたる心地ここちにや、月丸はつま諸共もろともに、奥なる広庭に戯れゐしが。折から裏の窠宿とやかたに当りて、鶏の叫ぶ声しきりなるに、哮々こうこうと狐の声さへ聞えければ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
すなわち裏の垣より忍び入りて窠宿とや近く往かんとする時、かれ目慧めざとくも僕を見付みつけて、驀地まっしぐらとんかかるに、不意の事なれば僕は狼狽うろたへ、急ぎ元入りし垣の穴より、走り抜けんとする処を
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
折から撃ッて来た拍子木は二時おおびけである。本見世ほんみせ補見世すけみせかごの鳥がおのおのとやに帰るので、一時に上草履の音がとどろき始めた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
森「痔疾じしつなんざアありやせんや、瘡毒とやついて仕舞っているから」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
昨日きのう富家ふうかの門を守りて、くびに真鍮の輪をかけし身の、今日は喪家そうかとなりはてて、いぬるにとやなく食するに肉なく、は辻堂の床下ゆかしたに雨露をしのいで、無躾ぶしつけなる土豚もぐらに驚かされ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
「木戸から中へ入っちゃだめよ、鳥舎とやへいってごらんなさい、鳥がみんな眠っているから、それでも見て来るといいわ」
風流太平記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)