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塒
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とや
ふりがな文庫
“
塒
(
とや
)” の例文
おつぎは
勘次
(
かんじ
)
の
居
(
ゐ
)
ない
時
(
とき
)
は
牝鷄
(
めんどり
)
が
消魂
(
けたゝま
)
しく
鳴
(
な
)
いて
出
(
で
)
れば
直
(
す
)
ぐに
塒
(
とや
)
を
覗
(
のぞ
)
いて
暖
(
あたゝ
)
かい
卵
(
たまご
)
の
一
(
ひと
)
つを
採
(
と
)
つて
卯平
(
うへい
)
の
筵
(
むしろ
)
へ
轉
(
ころ
)
がしてやることもあつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
夜になって
塒
(
とや
)
へ入るのは何もかわったことはないけれど、何だか
淋
(
さみ
)
しそうで可哀相だねえ、
母様
(
おっかさん
)
と二人ばかしになったって、お前、私が居れば可いじゃあないか。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
橇には、五人ずつ、或は六人ずつ
塒
(
とや
)
にかたまる鶏のように防寒服の毛で寒い隙間を埋めて乗りこんだ。歩けない者は、看護卒の肩にすがり、又は、担架にのせられて運んで行かれた。
氷河
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
わがためには
餓
(
うゑ
)
の名をえてこののちなほも人を
籠
(
こ
)
むべき
塒
(
とや
)
なる小窓が 二二—二四
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
禽
(
とり
)
どもに
塒
(
とや
)
にされて、雨露を防いでいたのであろう。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
▼ もっと見る
勘次
(
かんじ
)
は
態
(
わざ
)
と
卯平
(
うへい
)
へ
見
(
み
)
せつける
樣
(
やう
)
に
其
(
そ
)
の
夜
(
よ
)
塒
(
とや
)
に
就
(
つ
)
いた
時
(
とき
)
其
(
そ
)
の
鷄
(
とり
)
を
籠
(
かご
)
に
伏
(
ふ
)
せて、
戸口
(
とぐち
)
の
庭葢
(
にはぶた
)
の
上
(
うへ
)
に三
日
(
か
)
も四
日
(
か
)
も
置
(
お
)
いたのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ええ夢中でね、駆けつけたのは裏口にあるその
軍鶏
(
しゃも
)
の
塒
(
とや
)
なんですよ。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そつと
開
(
あ
)
けて
這入
(
はひ
)
つて
見
(
み
)
ると、
自分
(
じぶん
)
の
家
(
うち
)
ながらおつぎはひやりとした。
塒
(
とや
)
の
鷄
(
にはとり
)
は
闇
(
くら
)
い
中
(
なか
)
で
凝然
(
ぢつ
)
として
居
(
ゐ
)
ながらくゝうと
細
(
ほそ
)
い
長
(
なが
)
い
妙
(
めう
)
な
聲
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
塒
漢検1級
部首:⼟
13画
“塒”を含む語句
塒鳥
塒巣
笹塒
鳥塒