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づめん
道と
空との
間に
唯一人我ばかり、
凡そ
正午と
覚しい
極熱の
太陽の
色も
白いほどに
冴え
返つた
光線を、
深々と
頂いた
一重の
檜笠に
凌いで、
恁う
図面を
見た。
今別れ
際に
声を
懸けられたので、
先方は
道中の
商売人と
見たゞけに、まさかと
思つても
気迷がするので、
今朝も
立ちぎはによく
見て
来た、
前にも
申す、
其の
図面をな
何矢張道は
同一で
聞いたにも
見たのにも
変はない、
旧道は
此方に
相違はないから
心遣りにも
何にもならず、
固より
歴とした
図面といふて、
描いてある
道は
唯栗の
毯の
上へ
赤い
筋が
引張つてあるばかり。