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ちやうべゑ
其頃諸侯方へ
召され、
長兵衛が
此位の
値打が有るといふ時は、
直に
其の
代物を見ずに
長兵衛が
申しただけにお
買上になつたと
云ふし、
此人は
大人でございますから
アハヽヽ
驚いちまつたな……コヽ
予々お
招きになりました
半田屋の
長兵衛で。
手の
先と
天窓の
先を
揃へ、
胴を
詰めて
閑雅に
辞儀をして、かね/″\お
招きに
預かりました
半田屋の
長兵衛と
申す者で、
至つて
未熟もの、
此後ともお
見知り
置かれて
御懇意に願ひますと
云ふと
賣てなりとも
持參金を
返し
離縁致べしとお
常長兵衞に云し
詞有ば
終に
離縁の事を申
込たり
盡しければ
則ち加賀屋の
暖簾を
貰ひ同所へ
材木店を出せしが
漸次に
繁昌して此春より將軍家
桶御用の
株を
讓られ
猶々榮え
消光けるも
必竟長兵衞の
心懸よき故なり
斯て白子屋
庄三郎は長兵衞方へ
厚く
禮を