-
トップ
>
-
じゆみやう
雲飛は三年の
壽命位は
何でもないと
答へたので老叟、二本の
指で一の
竅に
觸たと思ふと石は
恰も
泥のやうになり、手に
隨つて
閉ぢ、
遂に
三個の
竅を
閉いで
了つて、さて言ふには
一身つかれて
痩せに
痩せし
姿、
見る
兄君の
心やみに
成りて、
醫藥の
手當に
手づからの
奔走いよいよ
悲しく、
果は
物言はず
泣のみ
成りしが、
八月の
壽命此子にあれば、
月足らずの、
聲いさましく
揚げて
御利益を
偏へに願ひますと無理な
願掛けをして、
寿命を三
年縮めたので、お
前の
眼が
開いたのは二十一
日目の
満願ぢやアないか、
私は
今朝眼が
覚めてふと
見ると、
四辺が見えないんだよ