壽命じゆみやう)” の例文
新字:寿命
食べた物が少かつたのか、こればかりはまだ壽命じゆみやうを燃やし切らず、身體も動かず聲も立てませんが、頼りない眼を開いてまぶしさうに四方あたりを見廻します。
したか知ぬほんに一時に十年ばかり壽命じゆみやうちゞめたとうらみを云ば清兵衞否モウ其話は何かおれまけてくれ往昔むかしの樣に蕩樂だうらくをして貴樣の厄介やくかいに成にはましだらう實は此樣に仕上た身上を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
雲飛うんぴは三年の壽命じゆみやうぐらゐなんでもないとこたへたので老叟、二本のゆびで一のあなふれたと思ふと石はあだかどろのやうになり、手にしたがつてぢ、つひ三個みつゝあなふさいでしまつて、さて言ふには
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
一身いつしんつかれてせにせし姿すがた兄君あにきみこヽろやみにりて、醫藥いやく手當てあてづからの奔走ほんそういよいよかなしく、はて物言ものいはずなみだのみりしが、八月やつき壽命じゆみやう此子このこにあれば、月足つきたらずの、こゑいさましくげて
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「良い女の子が死ぬ度毎に驚かされた日にや、壽命じゆみやうの毒だよ」