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さんよにん
應接間へ
通ると、
大きな
洋卓の
周圍に
天鵞絨で
張つた
腰掛が
并んでゐて、
待ち
合してゐる
三四人が、うづくまる
樣に
腮を
襟に
埋めてゐた。それが
皆女であつた。
竹の
埒結ひたる
中に、
三四人土をほり
居るあたりにて、
路も
分らずなりしが、
洋服着たる
坊ちやん
二人、
學校の
戻と
見ゆるがつか/\と
通るに
頼母しくなりて、
後をつけ
すると
唐紙をぴたりと
閉てゝ、
向ふ
側で
三四人が
聲を
合して
笑ひ
出した。
下女が
出て
來て、
此方へと
云ふから、
何時もの
座敷へ
案内するかと
思ふと、
其所を
通り
越して、
茶の
間へ
導びいていつた。すると
茶の
間の
襖が二
尺ばかり
開いてゐて、
中から
三四人の
笑ひ
聲が
聞えた。