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さんぱう
二日の
日の
午後、
火と
煙を
三方に
見ながら、
秋の
暑さは
炎天より
意地が
惡く、
加ふるに
砂煙の
濛々とした
大地に
茣蓙一枚の
立退所から、
軍のやうな
人ごみを、
拔けつ、
潛りつ
目的の
海岸——
某地に
着くと、
海を
三方——
見晴して、
旅館の
背後に
山がある。
上に
庚申のほこらがあると
聞く。……
町並、また
漁村の
屋根を、
隨處に
包んだ
波状の
樹立のたゝずまひ。
こゝに、おみき
所と
言ふのに、
三寶を
供へ、
樽を
据ゑ、
緋の
毛氈に
青竹の
埒、
高張提灯、
弓張をおし
重ねて、
積上げたほど
赤々と、
暑くたつて
構はない。