“かをり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
44.4%
40.7%
香気3.7%
香氣3.7%
1.9%
芬気1.9%
薫香1.9%
1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此故このゆゑなまぐさにほひせて白粉おしろいかをりはな太平たいへい御代みよにては小説家せうせつか即ち文学者ぶんがくしやかず次第々々しだい/\増加ぞうかし、たひはなさともあれど、にしん北海ほつかい浜辺はまべ
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
珍奇な香水を盛つてある、細工の手の籠んだ小瓶は、皆自然に栓が抜けて、希臘グレシア美人の霊魂を弔ふ為めに、世に稀なかをりを立てた。
クサンチス (新字旧仮名) / アルベール・サマン(著)
しかはあれど、わが満心の自覚を一揮直抒いつきちよくじよの筆に附して、く其の駭絶の意識の、黝然いうぜんたる光の穂末をだに伝へ得ざる乎、そのかすかなる香気かをりをだにほのめかし得ざる乎。
予が見神の実験 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
果實このみより、また青葉にかゝる飛沫みづけぶりよりいづる香氣かをり飮食のみくひの慾を我等のうちに燃やすなり 六七—六九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
それに何んのかをりだか解りませぬが、好い芬が其處ら一杯にかをつているので、自分は螢谷には、魔の者が棲むでゐるのでは無く、仙人が棲むでゐるのでは無いかと思つてゐた。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
つめたくふるふ野薔薇の芬気かをり
春と修羅 第二集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
薫香かをりいかにと知るべけれ。
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
異花のかをりのやうなにほひを放つ燈火に火を点じると、直に森に行つて、榛からは青葉の枝を切り、小さな岩がなだらかな砂と粘土とに移つてゐる島の西岸からは、燈心草の大きな束を刈り始めた。