“かいな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
87.0%
掻撫6.1%
1.5%
効無0.8%
掻無0.8%
甲斐撫0.8%
繊手0.8%
0.8%
0.8%
飼馴0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
きゃしゃなかいなの青白い肌が、頑丈な鉄のような指先にむずと掴まれて、二人の少年の血色の快い対照は、私の心を誘うようにするので
少年 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
されど自慢の頬鬢掻撫かいなづるひまもなく、青黛の跡絶えず鮮かにして、萌黄もえぎ狩衣かりぎぬ摺皮すりかは藺草履ゐざうりなど、よろづ派手やかなる出立いでたちは人目にそれまがうべくもあらず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
中の君は物思いをする人の姿態といわれるかいなまくらにしたうたた寝をしているのであるが、その姿が可憐かれんで、髪が肩の横にたまっているところなどの美しいのを、病女王にょおうはながめながら
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)
子供は、ややませた口ぶりで、お角のすることの効無かいなきかをふうするように言いますから、こんなことにも意地になったものと見え
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
謙三郎はいかんとも弁疏いいわけなすべきことばを知らず、しばし沈思してこうべれしが、叔母のせなをば掻無かいなでつつ
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
で、規定さだめの時刻が来るとやおら信玄は立ち上がった。楯無しの鎧は箱に入れられ大切に輿こしに乗せられた。四人の武士がになうのである。それも甲斐撫かいなでの武士ではない。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
義明はスックと立ち上がり、鳰鳥の繊手かいなを取りながら、洞院左膳を始めとし腰元近習を引き従え、廊下伝いに鳰鳥の部屋へさざめきながら立ち去った。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
細きかいなさし出でゝ書くを見れば、これは纐纈城なり、これへ来たる人には、まづ物云はぬ薬を喰はせて次に肥ゆる薬を喰はす。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
かいなが動き出した。片手は、まっくらなくうをさした。そうして、今一方は、そのまま、岩牀いわどこの上を掻きさぐって居る。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
良人おっとおきるのは大抵正午近くなので、鶴子は毎朝一人で牛乳に焼麺麭トーストを朝飯に代え、この年月飼馴かいならした鸚鵡おうむかごを掃除し、盆栽に水をそそぎなどした後、髪を結び直し着物をきかえて
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)