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背
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せ
ふりがな文庫
“
背
(
せ
)” の例文
その足跡から
推
(
お
)
すと、
背
(
せ
)
の高さ一メートルにちかく、体重も六、七十キロくらいはたしかにある。おそろしくたくましいやつらしい。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
塔
(
たふ
)
の
上
(
うへ
)
には
鳩
(
はと
)
が
群
(
む
)
れ
居
(
ゐ
)
、
群
(
む
)
れ
遊
(
あそ
)
ぶさうである。
尚
(
な
)
ほ
聞
(
き
)
く。
花屋敷
(
はなやしき
)
の
火
(
ひ
)
をのがれた
象
(
ざう
)
は
此
(
こ
)
の
塔
(
たふ
)
の
下
(
した
)
に
生
(
い
)
きた。
象
(
ざう
)
は
寶塔
(
はうたふ
)
を
背
(
せ
)
にして
白
(
しろ
)
い。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
眼鏡
(
めがね
)
をかけているのが、
有田
(
ありた
)
くんのお
母
(
かあ
)
さん、
背
(
せ
)
の
低
(
ひく
)
いちぢれ
髪
(
がみ
)
のが、
東
(
あずま
)
くんのお
母
(
かあ
)
さん、ふとっているのは、
小原
(
おばら
)
くんのお
母
(
かあ
)
さんさ。
生きぬく力
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おれの家の目印になるような、あの馬鹿に
背
(
せ
)
の高い大樹なんだ。そして、その
根許
(
ねもと
)
の所に親父の腰かけていた、切石がおいてあるのだ。
疑惑
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
が
忽
(
たちま
)
ち、
何
(
なに
)
か
恐
(
おそろ
)
しい
事
(
こと
)
でも
急
(
きふ
)
に
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
したかのやうに、
彼
(
かれ
)
は
頭
(
かしら
)
を
抱
(
かゝ
)
へるなり、
院長
(
ゐんちやう
)
の
方
(
はう
)
へくるりと
背
(
せ
)
を
向
(
む
)
けて、
寐臺
(
ねだい
)
の
上
(
うへ
)
に
横
(
よこ
)
になつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
ヒラリと
溜
(
たま
)
りへかえった加藤孫一、
使番目印
(
つかいばんめじるし
)
の
黄幌
(
きほろ
)
に赤の
差旗
(
さしもの
)
を
背
(
せ
)
につッたて、馬をあおって、
右陣
(
うじん
)
福島市松
(
ふくしまいちまつ
)
のところへ
馳
(
か
)
けとばした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つたる
大形
(
おほがた
)
の
裕衣
(
ゆかた
)
に
引
(
ひつ
)
かけ
帶
(
おび
)
は
黒繻子
(
くろじゆす
)
と
何
(
なに
)
やらのまがひ
物
(
もの
)
、
緋
(
ひ
)
の
平
(
ひら
)
ぐけが
背
(
せ
)
の
處
(
ところ
)
に
見
(
み
)
えて
言
(
い
)
はずと
知
(
し
)
れし
此
(
この
)
あたりの
姉
(
あね
)
さま
風
(
ふう
)
なり
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
灰色
(
はいいろ
)
の
土塊
(
どかい
)
が長く
幾畦
(
いくあぜ
)
にもなっているかと思うと、急にそれが動きだしたので、よく見ると
羊
(
ひつじ
)
の群れの
背
(
せ
)
が見えていたのでした。
真夏の夢
(新字新仮名)
/
アウグスト・ストリンドベリ
(著)
やがてわか姉さんが、ファットマンの鼻の上に乗ってひらりとその
背
(
せ
)
へ
飛
(
と
)
び上がりました。そして長い
竹棒
(
たけぼう
)
を受け取りました。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
いつも
銀鼠
(
ぎんねずみ
)
の洋服に銀鼠の帽子をかぶっている。
背
(
せ
)
はむしろ低い方かも知れない。けれども見たところはすらりとしている。
お時儀
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼
(
かれ
)
は
毎日
(
まいにち
)
のやうにおつぎを
連
(
つれ
)
て、
唐鍬
(
たうぐは
)
で
切
(
き
)
り
起
(
おこ
)
した
土
(
つち
)
の
塊
(
かたまり
)
を
萬能
(
まんのう
)
の
背
(
せ
)
で
叩
(
たゝ
)
いては
解
(
ほぐ
)
して
平坦
(
たひら
)
にならさせつゝあつたのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その
象
(
ぞう
)
がまた、
平素
(
へいそ
)
はごく
荒
(
あら
)
っぽいのに、その時ばかりは、王子を
背
(
せ
)
にのせたまま、おとなしくのそりのそりと歩いているのではありませんか。
強い賢い王様の話
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
君子
(
きみこ
)
は
背
(
せ
)
のびをして
結
(
むす
)
ばれた
電氣
(
でんき
)
の
綱
(
つな
)
をほどいてゐた。とその
時
(
とき
)
、
母
(
はゝ
)
は
恰
(
あたか
)
もその
光
(
ひか
)
りに
彈
(
はじ
)
かれたやうにぱつと
起
(
お
)
き
上
(
あが
)
つた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
さうして見よ、
背後
(
うしろ
)
から尾をあげ
背
(
せ
)
を高めた黒猫がただぢつと
金
(
きん
)
の眼を光らしてゐたではないか。私は
悸然
(
ぎよつ
)
として泣いた。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
茶色のはん点がいっぱいある、赤みがかったつやのよい頭を日に光らせ、洗いふるしたねずみ色の着物の
背
(
せ
)
をまるくしている、年よりの是信さん。
屁
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
春信
(
はるのぶ
)
は、
鯉
(
こい
)
の
背
(
せ
)
から
眼
(
め
)
を
放
(
はな
)
すと、
急
(
きゅう
)
に
思
(
おも
)
いだしたように、
縁先
(
えんさき
)
の
万年青
(
おもと
)
の
葉
(
は
)
を
掃除
(
そうじ
)
している、
少年
(
しょうねん
)
の
門弟
(
もんてい
)
藤吉
(
とうきち
)
を
呼
(
よ
)
んだ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
その時この白い
女人柱
(
カリヤチイド
)
の張切つた
背
(
せ
)
の上に、
神々
(
かみ/″\
)
の涙が
墮
(
お
)
ちて、突き刺された
怪獸
(
シメエル
)
の
痍口
(
きずぐち
)
から、血の
滴
(
た
)
れるのがみえる。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
アシは、人間の
背
(
せ
)
よりも高く、びっしりと
生
(
お
)
い
茂
(
しげ
)
るものですから、
小舟
(
こぶね
)
でさえも、その中にわけいることはできません。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
見るとその畑の中に、何やら黒く動くものが見えました。もとより人の
背
(
せ
)
よりも高い
唐黍
(
もろこし
)
が茂っているのですから、何ものだかはっきり分りません。
熊
(新字新仮名)
/
久米正雄
(著)
絶頂
(
ぜつてう
)
を
平坦
(
たひら
)
になし、馬の
背
(
せ
)
の
天険
(
てんけん
)
をたのみてこゝに住居し
耕作
(
かうさく
)
をもしたるが、
亡
(
ほろ
)
びてのち其
灵魂
(
れいこん
)
こゝにとゞまりて
苗場
(
なへば
)
の
奇異
(
きゐ
)
をもなすにやと
思
(
おも
)
へり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
妾
(
わたし
)
を
生命
(
いのち
)
がけの旅行に連れ出して行った男にソックリなんですもの……
背
(
せ
)
の高さと色が違うだけで、
真正面
(
まとも
)
から見ているとホントに兄弟かと思う位よ。
支那米の袋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
天気のいい、秋の
或
(
あ
)
る朝のこと、タングルウッドという田舎のお屋敷の玄関先に、
背
(
せ
)
の高い青年を取りかこんで、愉快な子供達の一群が集まっていた。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
振
(
ふ
)
り
向
(
む
)
くと、それがボズさんと
後
(
のち
)
に
知
(
し
)
つた
老爺
(
ぢいさん
)
であつた。七十
近
(
ちか
)
い、
背
(
せ
)
は
低
(
ひく
)
いが
骨太
(
ほねぶと
)
の
老人
(
らうじん
)
で
矢張
(
やはり
)
釣竿
(
つりざを
)
を
持
(
もつ
)
て
居
(
ゐ
)
る。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
がっしりした、かなり
背
(
せ
)
の高い、ひどく
白髪
(
しらが
)
のまじった赤ちゃけたひげをぐるりと
顔
(
かお
)
いちめんにはやした百姓です。
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
気多
(
けた
)
のみさきまでずっと
並
(
なら
)
んでみよ、そうすればおれがその
背
(
せ
)
中の上をつたわって、かぞえてやろうと申しました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
請ふ我に告げてこの後紙にしるすをえしめよ、汝等は誰なりや、また汝等の
背
(
せ
)
の
方
(
かた
)
にゆく
群
(
むれ
)
は何ぞや。 六四—六六
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
胸裏
(
きょうり
)
の図案は三
分
(
ぶ
)
二で
崩
(
くず
)
れた。見ると、
筒袖
(
つつそで
)
を着た男が、
背
(
せ
)
へ
薪
(
まき
)
を
載
(
の
)
せて、
熊笹
(
くまざさ
)
のなかを観海寺の方へわたってくる。隣りの山からおりて来たのだろう。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
茫然
(
ぼうぜん
)
と立って居ると、
苅草
(
かりくさ
)
を
背
(
せ
)
一
(
いっ
)
ぱいにゆりかけた馬を追うて、若い
百姓
(
ひゃくしょう
)
が二人峠の方から下りて来て、余等の前を通って、また
向
(
むこう
)
の
峰
(
みね
)
へ上って往った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
全
(
まつた
)
く
不思議
(
ふしぎ
)
な
事
(
こと
)
でございました。
或
(
あ
)
る
日
(
ひ
)
山
(
やま
)
から
虎
(
とら
)
に
騎
(
の
)
つて
歸
(
かへ
)
つて
參
(
まゐ
)
られたのでございます。そして
其
(
その
)
儘
(
まゝ
)
廊下
(
らうか
)
へ
這入
(
はひ
)
つて、
虎
(
とら
)
の
背
(
せ
)
で
詩
(
し
)
を
吟
(
ぎん
)
じて
歩
(
ある
)
かれました。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
さて人が七十以上生き延ぶる時は、その
背
(
せ
)
傴
(
かが
)
み、その面変り、その心曇り、小児めきて児女に笑われ、痴人に嘲らる。これもと猴から受けた三十年だからだと。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
とおっしゃって、
調使丸
(
ちょうしまる
)
という
召使
(
めしつか
)
いの
小舎人
(
ことねり
)
をくらの
後
(
うし
)
ろに
乗
(
の
)
せたまま、
馬
(
うま
)
の
背
(
せ
)
に
乗
(
の
)
って、そのまますうっと
空
(
そら
)
の上へ
飛
(
と
)
んでお
行
(
い
)
きになりました。
下界
(
げかい
)
では
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
当日の演説家を案内して、会場へ入つて来た
背
(
せ
)
の高い司会者は、先づ
起
(
た
)
つて、この名高い政治家を聴衆に
紹介
(
ひきあ
)
はしたが、そのなかに次ぎのやうな言葉があつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
背
(
せ
)
には矢が千本も入る
靱
(
ゆぎ
)
を負われ、胸にも五百本入りの靱をつけ、また威勢のよい音を立てる
鞆
(
とも
)
をお帶びになり、弓を振り立てて力強く大庭をお踏みつけになり
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
寧ろ、「事しあらば
小泊瀬山
(
をはつせやま
)
の
石城
(
いはき
)
にも
籠
(
こも
)
らば共にな思ひ吾が
背
(
せ
)
」(巻十六・三八〇六)の方が、古い味いがあるように思える。巻十六の歌は後に選んで置いた。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
こんなわけで、男は神さまに
背
(
せ
)
なかをむけて、すたすた歩いて行きました。そこへ悪魔がやってきて
死神の名づけ親(第一話)
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
霧
(
きり
)
は
何時
(
いつ
)
しか
薄
(
うす
)
らいで
來
(
き
)
たのか、
遠
(
とほ
)
くの
低
(
ひく
)
い
丘陵
(
きうりよう
)
や
樹木
(
じゆもく
)
の
影
(
かげ
)
が
鉛色
(
なまりいろ
)
の
空
(
そら
)
を
背
(
せ
)
にしてうつすりと
見
(
み
)
えた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
うまやの外の広場には、
下弦
(
かげん
)
の月が雪を銀に照らしていた。そこにあったむしろを
背
(
せ
)
へかけてやろうとすると、
朝月
(
あさづき
)
はそれをはね落として、
鞍
(
くら
)
をぐいぐいとひいた。
三両清兵衛と名馬朝月
(新字新仮名)
/
安藤盛
(著)
しかし、
光吉
(
こうきち
)
は、母に
背
(
せ
)
を向けたまま返事ができなかった。何か、あついものが
胸
(
むね
)
をいっぱいにした。
美しき元旦
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
そこで彼はパイプに火をつけ、
背
(
せ
)
をかがめて、いつものひどい
悪洒落
(
わるじゃれ
)
がすむのを、静かに
待
(
ま
)
つのであった。クリストフの
祖父
(
そふ
)
と父は、彼を
嘲
(
あざけ
)
りぎみに
軽蔑
(
けいべつ
)
していた。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
子どもだけでなく
大人
(
おとな
)
でさえ、ひやっと
背
(
せ
)
すじにつめたい水を
浴
(
あ
)
びせかけられたような
気分
(
きぶん
)
になった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
夜
(
よる
)
よ、
來
(
き
)
やれ、
速
(
はや
)
う
來
(
き
)
やれ、ローミオー! あゝ、
夜
(
よる
)
の
晝
(
ひる
)
とはお
前
(
まへ
)
の
事
(
こと
)
ぢゃ。
夜
(
よる
)
の
翼
(
つばさ
)
に
降
(
お
)
りたお
前
(
まへ
)
は、
鴉
(
からす
)
の
背
(
せ
)
に
今
(
いま
)
降
(
ふ
)
りかゝる
其
(
その
)
雪
(
ゆき
)
の
白
(
しろ
)
う
見
(
み
)
ゆるよりも
白
(
しろ
)
いであらう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
妹
(
いも
)
と
背
(
せ
)
は
朝
(
あさ
)
宵
(
よい
)
に
袖
(
そで
)
を連ね、
面
(
おも
)
を
看
(
み
)
かわして過し得る人生であったならば、恋と名を附して考えなければならぬ場合もすでに少なく、まして恋しきという形容詞などは
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
正面
(
しやうめん
)
にはもう
多田院
(
ただのゐん
)
の
馬場先
(
ばばさ
)
きの
松並木
(
まつなみき
)
が
枝
(
えだ
)
を
重
(
かさ
)
ねて、ずうつと
奧
(
おく
)
へ
深
(
ふか
)
くつゞいてゐるのが
見
(
み
)
えた。
松並木
(
まつなみき
)
の
入口
(
いりくち
)
のところに、
川
(
かは
)
を
背
(
せ
)
にして、
殺生
(
せつしやう
)
禁斷
(
きんだん
)
の
碑
(
ひ
)
が
立
(
た
)
つてゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
透
(
すか
)
し見るに
生憎
(
あひにく
)
曇りて
黒白
(
あやめ
)
も分ず
怖々
(
こは/\
)
ながら
蹲踞
(
つぐみ
)
居れば
件
(
くだん
)
の者は河原へ
上
(
あが
)
り
背
(
せ
)
より一人の女を下しコレ聞よ
逃亡者
(
かけおちもの
)
と昨日から
付纒
(
つきまと
)
ひつゝやう/\と此所へ
引摺
(
ひきず
)
り
込
(
こむ
)
までは大に
骨
(
ほね
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お政は泣く子をかげでしかりつけ、
背
(
せ
)
におうて
膳立
(
ぜんだ
)
てをするのである。おちついてやるならばなんでもないことながら、心中
惑乱
(
わくらん
)
しているお政の手には、ことがすこしも運ばない。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
じひしんちょう(
慈悲心鳥
(
じひしんちよう
)
)の
聲
(
こゑ
)
は
山中
(
さんちゆう
)
でなければ
聞
(
き
)
かれません。これは
背
(
せ
)
に
灰黒色
(
かいこくしよく
)
、
胸
(
むね
)
と
腹
(
はら
)
が
淡赤茶色
(
うすあかちやいろ
)
で、
同
(
おな
)
じその
部分
(
ぶぶん
)
の
白
(
しろ
)
いほとゝぎすやかっこうと
區別
(
くべつ
)
することが
出來
(
でき
)
ます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
それは
此
(
この
)
深山
(
しんざん
)
に
棲
(
す
)
んで
居
(
を
)
る
白頭猿
(
はくとうえん
)
と
呼
(
よ
)
ばるゝ、
極
(
きわ
)
めて
狡猾
(
こうくわつ
)
な
猴
(
さる
)
の
一種
(
いつしゆ
)
で、
一群
(
いちぐん
)
凡
(
およ
)
そ三十
疋
(
ぴき
)
ばかりが、
數頭
(
すうとう
)
の
巨大
(
きよだい
)
な
象
(
ぞう
)
の
背
(
せ
)
に
跨
(
またが
)
つて、
丁度
(
ちやうど
)
アラビヤの
大沙漠
(
だいさばく
)
を
旅行
(
りよかう
)
する
隊商
(
たいしやう
)
のやうに
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
孫子
(
そんし
)
曰
(
いは
)
く、『
前
(
まへ
)
は
則
(
すなは
)
ち
心
(
むね
)
を
視
(
み
)
、
左
(
ひだり
)
は
左
(
ひだり
)
の
手
(
て
)
を
視
(
み
)
、
右
(
みぎ
)
は
右
(
みぎ
)
の
手
(
て
)
を
視
(
み
)
、
後
(
うしろ
)
は
即
(
すなは
)
ち
背
(
せ
)
を
視
(
み
)
よ』と。
婦人
(
ふじん
)
曰
(
いは
)
く、『
諾
(
だく
)
』と。
約束
(
やくそく
)
既
(
すで
)
に
布
(
し
)
き、
乃
(
すなは
)
ち
(五)
鈇鉞
(
ふゑつ
)
を
設
(
まう
)
け、
即
(
すなは
)
ち
之
(
これ
)
に
(六)
三
令
(
れい
)
五
申
(
しん
)
す。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
一五七
一時を
過
(
あやま
)
るともまぬがるべからずと、かたくをしへて、筆をとり、正太郎が
背
(
せ
)
より手足におよぶまで、
一五八
篆籀
(
てんりう
)
のごとき文字を書き、猶
一五九
朱符
(
しゆふ
)
あまた紙にしるして
与
(
あた
)
へ
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
すごいといおうか、なんといおうか、いってもいっても、
両
(
りょう
)
がわには人間の
背
(
せ
)
よりも高いあしやかやがびっしりと
生
(
は
)
え
茂
(
しげ
)
っているばかりで、人間くさいものなんか一つもありはしない。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
“背”の意味
《名詞》
背(せ、せい)
背中。胴の後ろ側のうち、腰より頭に近(ちか)い部分。胸と腹の反対側。
ものを人や動物(の胴)に見立ときの背中に当たる部分。刃の切(き)れない方の縁。
服や道具の中で、人の背中に接する部分。
身長。
(出典:Wiktionary)
背
常用漢字
小6
部首:⾁
9画
“背”を含む語句
背負
背後
背丈
背嚢
背高
背向
背景
山背
背中
引背負
背反
背延
背屈
背負梯子
違背
背恰好
中背
背負上
背伸
刀背
...