“かへ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カヘ
語句割合
21.4%
16.3%
11.4%
10.8%
10.2%
5.8%
5.2%
3.6%
1.3%
1.3%
0.9%
0.9%
0.9%
0.9%
0.8%
0.7%
0.5%
帰宅0.5%
0.5%
0.5%
0.4%
0.4%
返却0.4%
0.3%
0.3%
0.3%
0.1%
歸京0.1%
帰京0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
回生0.1%
奪回0.1%
孵化0.1%
帰朝0.1%
帰館0.1%
恢復0.1%
歸宅0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
甦生0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
返金0.1%
0.1%
𢌞0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だが、あんまり細工が過ぎてかへつて傳七郎の疑ひが薄くなつたのさ。小器用な惡黨は、大概たいがいしなくても宜いことをして尻尾をつかまれる
とその家庭かてい苦痛くつう白状はくじやうし、ついにこのしよ主人公しゆじんこうのち殺人さつじん罪人ざいにんなるカ……イ……をともなひてその僑居けうきよかへるにいた一節いつせつきはめて面白おもしろし。
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
言はれて内室ないしつはひつて見ると成程なるほど石は何時いつにか紫檀したんだいかへつて居たので益々ます/\畏敬ゐけいねんたかめ、うや/\しく老叟をあふぎ見ると、老叟
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
市街まち中程なかほどおほきな市場いちばがある、兒童こども其處そこへ出かけて、山のやうに貨物くわもつつんであるなかにふんぞりかへつて人々ひと/″\立騒たちさわぐのをて居る。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「いや、かへつていろ/\の事が判つたやうな氣がするよ。三千兩の始末を、もう少し詳しく聞きたいが——一體どんな經緯いきさつなんだ」
雨がしきりなので、かへるときには約束通りくるまを雇つた。さむいので、セルのうへへ男の羽織をせやうとしたら、三千代は笑つてなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
視力もとかへりてちひさきかゞやきに堪ふるに及び(わがこれを小さしといへるはしひてわが目を離すにいたれる大いなる輝に比ぶればなり)
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
女は身をかへすと、掛けかうを三十もブラ下げたやうなあやしく、艶めかしい香氣を發散させて、八五郎の膝へ存分に身を技げかけるのでした。
もう雛がかへりさうになつたのと殆ど一しよにその藪に一めんに眞白な、好いにほひのする小さな花が咲き出したのに、まあどんなにそいつは面喰つたことだらうと
巣立ち (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
横浜! 横浜! とあるひは急に、或はゆるく叫ぶ声の窓の外面そとも飛過とびすぐるとともに、響は雑然として起り、ほとばしづる、群集くんじゆ玩具箱おもちやばこかへしたる如く
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
背広せびろかるいセルのひと衣にぬぎかへて、青木さんがおくさんと一しよにつましやかなばんさんをましたのはもう八ちかくであつた。
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
と近所に住むお婆さんに笑はれたほどに、敷藁の取りかへや、床板のお掃除に、一生懸命になりました。
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
「は?」彼は覚えず身をかへして、ちようと立てたる鉄鞭にり、こはこれ白日の夢か、空華くうげの形か、正体見んと為れど、酔眼のむなしく張るのみにて、ますまれざるはうたがひなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
彼れは努めてもとの冷靜にかへらうとしてゐたが手の震へをとゞめる事が出來なかつた。夫れを人々に知られるのをにくんだ。
実験室 (旧字旧仮名) / 有島武郎(著)
サア、みな水兵ものどもた/\、大佐閣下たいさかくかのおかへりだよ、それに、めづらしい賓人おきやくさんと、可愛かあいらしい少年せうねんとが御坐ござつた、はや御挨拶ごあいさつまうせ/\。
ロミオ アーメン、アーメン! 如何どん悲哀かなしみようとも、ひめかほうれしさのその刹那せつなにはかへられない。
其後石は安然あんぜんに雲飛の内室ないしつ祕藏ひざうされて其清秀せいしうたいかへず、靈妙れいめううしなはずして幾年いくねんすぎた。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
最早もう奥様おくさんがお帰宅かへりになりませう。』とふさは驚いてめるやうに言つた。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
余は通り過ぎて振りかへり、暫し停立たゝずんで居ると、突然間近なる一軒の障子がいて一人の男がつと現はれた。
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
広い青葉のかへるのに
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
われは涙をそゝいでフルヰアの名を呼び、盤散はんさんとして閭門りよもんの外なる街道に歩みかへりぬ。
草鞋をぬいで宿屋の二階で二人が向ひ合つた時は、生きかへつたやうな思ひがした。
伊良湖の旅 (新字旧仮名) / 吉江喬松(著)
私も高野の宝物保存に就いては異議は無いのだから、朝吹君や益田君が自分達が以前狩り集めた物を返却かへすといふ条件付なら、何時でも寄附に応ずる。
父祖ふそ十代の御恩ごおんを集めて此君一人にかへし參らせばやと、風のあした、雪のゆふべ蛭卷ひるまきのつかのも忘るゝひまもなかりしが、思ひもかけぬ世の波風なみかぜに、身は嵯峨の奧に吹き寄せられて
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
一寸立留つて振かへつて見ると、少し隔つて若い女性がたゝずんでゐる。見覺えのある顏だな、と思つたが、其人は立つたまゝ動かない、おりて來ようともしない。何人だらう。私は二三歩後戻りした。
(旧字旧仮名) / 吉江喬松吉江孤雁(著)
森林が人間を威嚇ゐかくした、その復讎ふくしうの旋律が、いまかへつて来るとともに、私の生活を、原始の自然につな紐帯ちうたいも、ズタズタに引きちぎられたのだ、人情の結氷点が近づいたのだ
亡びゆく森 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
流して打歡うちよろこび是迄種々いろ/\と厚く御世話にあづかりし上只今の其御言葉ことば此御おんいのちかへてもはうがたし實は御さつしの通りわづか路銀ろぎんつかつくし此程はくしかんざしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何故に殺すべき長々なが/\の御病氣なれば我がいのちかへてでも御全快ぜんくわいあるやうにと神に祈り佛を念じ永の年月及ぶだけ看病みとりに心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
と帶の間から金時計を出して「オヤもう三時だな。己か、己は今朝著いたのだが、もう此汽車で歸京かへらにやならぬ。どうだ當分己の部下で辛抱しては。 ...
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
五十嵐は「佐野の奴、人を馬鹿にしてゐやあがる」と腹が立たぬでもないが、少し煙に卷かれて段梯子の降り口まで見送つて行つて長い體を突立つたまゝ「頼むとすれば二三日内に歸京かへらう」
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
吾妻は微笑ほゝゑみつ「なに、郷里へ一寸ちよつと帰つただけのです、今晩あたり多分帰京かへつた筈です、で、罪名は何とする御心算おつもりですネ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
無残にも芸妓げいしやにして仕舞しまつたので——其頃兼吉は呉港くれに働いて居たのですが、帰京かへつて見ると其の始末です、わたし数々しげ/\兼吉の相談にあづかつたのです、一旦いつたん婦人の節操を汚がしたるものをめとるのは
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
道は白々と広く、夜目には、芝草のつて居るのすら見える。当麻路たぎまぢである。一降りして又、大くだりにかゝらうとする所が、中だるみにやゝひらたくなつてゐた。稍繁つたかへの木の森がある。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ほんの苗木ぢやつたかへが、此ほどの森になつたものな。畏かつたぞよ。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
重詰ぢうづめ中味なかみのまゝつてかへことはない、とおもつたが、成程なるほどわたし家内かないだつて、つらはどうでも、かみつたをんなが、「めしあがれ。」とその火事場くわじばなか
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
評定役ひやうぢやうやく、著座、大番頭おおばんがしら出入司しゆつにふづかさ、小姓頭、目附役の順序を以て、幕府の目附に謁し、杯を受けるのであるに、著座と称する家柄の采女がかへつて目附役の次に出された。
椙原品 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「お竹倉」は勿論その頃にはいかめしい陸軍被服廠や両国駅に変つてゐた。けれども震災後の今日こんにちを思へば、——「かへつて并州へいしうを望めばこれ故郷」
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
六 ねがはくは一日も早く世界を見、世界のふみを読み、世界の刺戟と啓発によりてわがとがをあらため、生けるしるしある国の座に回生かへ保証あかしをあたへたまはんことを
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
彼は又優良なとりの卵を孵化かへして、小作人たちの飼つてゐる古い、よぼ/\の、性質たちのよくないとりとたゞで取替へてやることを申出た。
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
初め篠田如き者を迂濶うくわつに入会を許したのが君の失策である、如何どうだ、の新聞のくちは、政府だの資産あるものだのと見ると、事の善悪にかゝはらず罵詈讒謗ばりざんばうの毒筆をもてあそぶのだ、彼奴きやつ帰朝かへつて
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
黙つてお花はかしらを振り「明日の正午までには是非帰館かへらねばなりませんの」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ねがはくは日本よ、なんぢ朝の薄きスフの外套に包まれ、生ける国に恢復かへるその日まで
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
樣子やうすが、餘所よそから歸宅かへつて、あつさのあまり、二階にかいげてすゞむらしい……
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ヱマルソン言へる事あり、尤も冷淡なる哲学者といへども、恋愛の猛勢に駆られて逍遙徘徊せし少壮なりし時の霊魂が負ふたるおひめかへす事能はずと。
厭世詩家と女性 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
木山が預けて行つた金を若竹へかへしに行かうと思つて、静枝が病気見舞ひにわざ/\持つて来てくれた、ふじやの菓子を抱へて、暫くぶりで外へ出て見た。
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
わし達は墓の中からかへつて来ますよ。
いまはた、呼吸いき甦生かへ
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
黒い土をばかへしてる。
(新字旧仮名) / 新美南吉(著)
まことに畏しかつたことを覚えない郎女にしては、初めてまざ/″\と圧へられるやうなこはさを知つた。あゝあの歌が、胸にかへつて来る。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
あけの日二八八大倭やまとさとにいきて、翁が二八九めぐみかへし、かつ二九〇美濃絹みのぎぬ三疋みむら二九一筑紫綿つくしわた二屯ふたつみおくり来り、なほ此の妖災もののけ二九二身禊みそぎし給へとつつしみて願ふ。
「どうせ、貴様てめえから返金かへして貰へるなんて思つちや居ねえツて言つたよ——其れよりかお竹の阿魔に、泣かずにまつてろツて伝言ことづけ頼むぞ、忘れると承知しねえぞ」と後車あとの御者は答へつゝ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
石崇せきそういはく、うらむることなかれとすなは侍僮じどうめいじて、おなじほどの珊瑚さんご六七株ろくしちしゆいだしてつぐのかへしき。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この時にその后はらみましき。ここに天皇、その后の、懷姙みませるに忍へず、また愛重めぐみたまへることも、三年になりにければ、その軍を𢌞かへしてすむやけくも攻めたまはざりき。