歸京かへ)” の例文
新字:帰京
と帶の間から金時計を出して「オヤもう三時だな。己か、己は今朝著いたのだが、もう此汽車で歸京かへらにやならぬ。どうだ當分己の部下で辛抱しては。 ...
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
五十嵐は「佐野の奴、人を馬鹿にしてゐやあがる」と腹が立たぬでもないが、少し煙に卷かれて段梯子の降り口まで見送つて行つて長い體を突立つたまゝ「頼むとすれば二三日内に歸京かへらう」
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
大阪行きも貴樣のやうなぶつきら棒では想像するに談判破裂だな。よせ/\。下宿の拂ひなど旨くごまかして置いて兎に角歸京かへつて來いよ。萬事それからの事にしろ。汽車代位司にどうかさせろ。
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)