“迂濶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うかつ78.5%
うくわつ9.1%
うっかり5.5%
うっか4.6%
うつか0.9%
うつかり0.9%
うか0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
迂濶うかつだった、八重」そういって彼は、上から八重を見下ろした。「……おまえがいたじゃないか、此処ここにおまえがいたじゃないか」
日本婦道記:小指 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
あらそ將棋せうきやぶれていて死ぬなどは一しゆ悲壯ひそう美をかんじさせるが、迂濶うくわつに死ぬ事も出來ないであらうげん代のせん棋士きしは平ぼん
加之おまけみちが悪い。雪融ゆきどけの時などには、夜は迂濶うっかり歩けない位であった。しかし今日こんにちのように追剥おいはぎ出歯亀でばかめの噂などは甚だ稀であった。
思い出草 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
氏の慇懃丁寧なる、もし書斎のデスクの上へ、迂濶うっかり腸を忘れて行こうものなら、後から小包郵便にして、そえ手紙と共に送り返される。
小酒井不木氏スケッチ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
此品これをば汝は要らぬと云ふのか、といかりを底に匿して問ふに、のつそり左様とは気もつかねば、別段拝借いたしても、と一句迂濶うつかり答ふる途端、鋭き気性の源太は堪らず
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
致してりし所ろマア/\此所へコレ娘何を迂濶うつかり致してをるお茶を上ぬか如何ぞやと待遇振もてなしぶりあつき程此方こなたはいよ/\こゝろ言出惡いひいでにく背後そびらにはあせするばかりに在りたるが斯てははてじと口を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
彼女あいつめ焼物が分りそうな振りをするものだから、つい迂濶うかとひっかかった。こんな事ではとても性根を掴むことはできん——今度からはごまかされぬ要慎をしてかかるぞ」
嫁取り二代記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)