“舊”のいろいろな読み方と例文
新字:
読み方割合
もと44.3%
ふる24.6%
11.5%
きう9.8%
フル3.3%
モト3.3%
ふり1.6%
むかし1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それにあなたももとちがつて、いまのやうな御身分おみぶんでせう、所詮しよせんかなはないとあきらめても、あきらめられないもんですから、あなたわらつちやいやですよ。
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
わたしのその家に入つたのは初めてゞしたが、わたしの家とはふるくからの知合で、この家の人でわたしを知つてゐるのが二三人ありました。
金比羅参り (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
また汝のために憂へず、されど告げよ、汝何ぞこゝに坐するや、導者を待つか、はたたゞ汝のりし習慣ならひに歸れるか。 —一二六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
その時分じぶんには丁度ちやうどきう正月しやうぐわつるので、一先ひとまづ國元くにもとかへつて、ふるはるやまなかして、それからまたあたらしい反物たんもの脊負しよへるだけ脊負しよつてるのだとつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
地下ヂゲビトの歌よみが、おれの三十になつたばかりの頃、「昔見しフルき堤は、年深み……年深み、池の渚に、水草ミクサ生ひにけり」
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
家に、防ぐ筈の石城が失せたからだ、と天下中の人が騷いだ。其でまた、とり壞した家も、ぼつ/″\モトに戻したりしたことであつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
彼我に、こはいとあしきミルラのふりし魂なり、彼正しき愛を超えてその父を慕ひ 三七—三九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
からずむかしをいはば三千ごく末流まつりうなりといふ、さらば旗下はたもと娘御むすめごにや、親御おやごなどもおはさぬか、一人ひとりみとはいたはしきことなりと、はやくもそのひと不憫ふびんになりぬ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)