“孵”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かえ71.7%
かへ16.7%
10.0%
けえ1.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「象の卵?……おっと、触った、触った。……南無三モン・ジュウ、こりゃどうじゃ、もうかえっているに! 俺ぁいまたしかに象の鼻に触った!」
頼朝は平家に捕われて、伊豆の配所に二十年の歳月を、行い澄まし、北条時政の娘、政子に眼をつけて、恋の巣に大望の卵をかえす長計を立てている。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうして、どうやらこうやら無事に卵をかえしたが、雛は十日ばかりでたおれてしまったので、かれの失望よりも妻の恐怖の方が大きかった。
慈悲心鳥 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
かへりて後僅かに半月、或は母鶏の背にのぼり、或は羽をくゞりて自から隠る、この間言ふ可からざるの妙趣ありて余を驚破せり。
農村の煩ひとなる生き物の中、夜な/\里に出て成熟した田畑を根こそげ荒して行く鹿、年によつてはむやみにかへつて、苗代田を螫み尽す蟹、かうした苦い経験が、此ほかひ歌を生み出したのである。
私のやうな者が神田のまんなかに生れたのは河童が沙漠でかへつたよりも不都合なことであつた。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
と板圍ひの一棟へ私を案内した。其處には幾つとなく置き並べられた厚板作りの長い箱があり、すべての箱に水がさらさらと寒いひゞきを立てゝ流れてゐた。箱の中にはへされた小魚が蟲の樣にして泳いでゐた。
みなかみ紀行 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
朝起きて顔を洗いに出ると、春がひよこえたのを知らせた。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
僕は母以下が僕の素性の暴露するのを恐れて、叔父に関する事件をうやむやに葬り去った事を、心から憎む、うぐいす時鳥ほととぎすの卵を育てゝえすというが、その事は彼等の世界には、何等の悲劇ももたらさないのだろうか。
黄鳥の嘆き (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
小判がけえるほど温めて寢て居る筈もあるめえ