“かへり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
56.3%
歸途11.5%
帰途6.9%
4.0%
4.0%
2.3%
帰路2.3%
帰宅1.7%
歸路1.7%
歸國1.1%
歸宅1.1%
1.1%
帰来0.6%
帰去0.6%
0.6%
帰省0.6%
歸來0.6%
歸省0.6%
歸邸0.6%
皈國0.6%
眷顧0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なにとして今日けふはとうなじばすこゝろおなおもてのおたか路次口ろじぐちかへりみつ家内かないのぞきつよしさまはどうでもお留守るすらしく御相談ごさうだんすることやまほどあるを
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
にしろよわつたらしい。……舞臺ぶたい歸途かへりとして、いま隧道トンネルすのは、芝居しばゐ奈落ならくくゞるやうなものだ、いや、眞個まつたく奈落ならくだつた。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
僕が四年に君が三年だツたかな、学校の帰途かへりに、そら、酒屋の林檎畑へ這入ツた事があツたらう。何でも七八人も居たツた様だ。………………
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「はい、昨夜よんべ那裏あちらのお客様がおかへりになるかと思つて、遅うまで待つてをりやしたで、今朝睡うござりやす」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
エリザは、さつきから、食堂のドアの陰で、息をひそめて、この光景を眺めてゐましたが、急に、自分の姿をかへりみて、恥らふやうに、そこを立去りました。
けむり(ラヂオ物語) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
北八きたはち心得こゝろえたるかほはすれども、さすがにどぎまぎしてはむとほつするところらず、おかみさんかへりにするよ。唯々はい/\。お邪魔じやまでしたとにいさんはうまいものなり。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
敵方といふのは、年若な準教員——それ、丑松が蓮華寺へ明間あきまを捜しに行つた時、帰路かへり遭遇であつた彼男と、それから文平と、斯う二人の組で、丑松に取つてはあなどり難い相手であつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
あやにくなる旦那のお帰宅かへり。一時の難は遁れても、遁れ難きはこの難儀。ああ何となる事やらと。思案に余る仲の間を、幾度かさし覗き。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
これから歸路かへりに二三軒廻つて、この歌を吹聽して來ようと思ひますから……。(振切つて行きかゝる。)
能因法師 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
「で、お歸國かへりにでもなりますか、貴女あなたは?」
一家 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
いま女子教育ぢよしきよういく賛成さんせいといひがたきこヽろよりおそのにも學校がくかうがよひせたくなく、まわみちでもなき歸宅かへりがけの一時間じかん此家こヽりては讀書どくしよ算術さんじゆつおもふやうにをしへてれば記憶きおくもよくわかりもはや
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
のち五年を勅免ちよくめんありしかども、ほふひろめためとて越後にいまししこと五年なり、ゆゑに聖人の旧跡きうせき越地にのこれり。弘法ぐほふ廿五年御歳六十の時みやこかへり玉へり。
「それぢやその新聞が違つてゐるのだよ。阿父さんは先之さつき病院へ見舞にお出掛だから、間も無くお帰来かへりだらう。まあ寛々ゆつくりしておいでな」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「直道、阿父さんのお帰来かへりだから、泣いてゐちや可けないよ、早く彼方あつちへ行つて、……よ、今日は後生だから何も言はずに……」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
よろしい、帰去かへりには僕が一所に引張つて好い処へ連れて行つて遣るから。ねえ、間、おい、間と言ふのに」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「ほう、もう、お帰去かへりかな。わしもはや行かん成らんで、其所そこまで御一処に」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
〔譯〕自らかへりみてなほきは、われ無きなり。千萬人と雖吾れ往かんは、物無きなり。
『ハ、何にも……然う/\、先刻さつき静子さんがお出になつて、アノ、兄様にいさんもお帰省かへりになつたから先生に遊びに被来いらしつて下さる様にツて。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
アンドレイ、エヒミチは歸來かへり早々さう/\其住居そのすまひたづねねばならぬ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
『ハ、何にも……然う/\、先刻さつき靜子さんがお出でになつて、アノ、兄樣もお歸省かへりになつたから先生に遊びに被來いらしつて下さる樣にツて。』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
りつきしまヽきてはなれず、姉樣ねえさまなにごとをはらたちて鎌倉かまくらなぞへおいでなさるぞ、れも一つき半月はんつきならばけれど、お歸邸かへり何時いつともれずと衆人みなひたり、どのやうおつしやるともそれはうそにて
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
んと奇妙きめうではありませんか、これてん紹介ひきあはせとでもふものでせう、じつわたくし妻子さいしも、今夜こんや弦月丸げんげつまる日本につぽん皈國かへりますので。
あゝ聖なる胸よ、汝に妻とおもはれんとの願ひ今なほ彼の姿にあらはる、されば汝彼の愛のために我等を眷顧かへりみ —八一
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ゆきには、なんにも、そんなやつなかつたんです。もつと大勢おほぜい人通ひとゞほりがありましたからかなかつたかもれません。かへり病院びやうゐん彼方あつちかどを、此方こつちまがると、其奴そいつ姿すがたがぽつねんとしてひとツ。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)