“寛々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんかん35.7%
ゆる/\14.3%
くわん/\14.3%
ゆるゆる10.7%
ひろびろ7.1%
クワンヽヽヽ7.1%
ゆつくり3.6%
らくらく3.6%
クワンクワン3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これが、ゆっくりと、寛々かんかんと、まるで象がうなずいて、また鼻を退く、そのように、立てた六、七吋ばかりの高さの丸太を、ちょいとやる。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
かへし給ふべし拙者も是より江戸見物致さんと思ふなれば江戸迄は御同道ごどうだう申べし先々まづ/\心置こゝろおきなく寛々ゆる/\養生やうじやうなすが專一なりとて眞實しんじつに申を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
どうかすると、庭と言ふより寛々くわん/\とした空き地の広くおありになる宮廷よりは、もつと手入れが届いて居さうな気がする。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
雑草多きところでは衣裳を裾模様のように染め、ある時は呼吸せわしく、ある時は寛々ゆるゆるとして、上りつ下りつして行きました。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
さんとしたおもてを——みだれ髪の毛を——大地に伏せてはいるけれど、心のうちには、何か寛々ひろびろとしたものがあった。ひとりでに可笑しくさえなる余裕があった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
東のナカカド、西のナカカドまで備つて居る。どうかすると、庭と申さうより、寛々クワンヽヽヽとした空き地の廣くおありになる宮よりは、もつと手入れが屆いて居さうな氣がする。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
「それぢやその新聞が違つてゐるのだよ。阿父さんは先之さつき病院へ見舞にお出掛だから、間も無くお帰来かへりだらう。まあ寛々ゆつくりしておいでな」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
寛々らくらくと組んだ安坐の上に、私たちの稽古琴けいこごとを乗せて、ばらんと十三本のいとを解いた。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
どうかすると、庭と申さうより、寛々クワンクワンとした空き地の広くおありになる宮よりは、もつと手入れが届いて居さうな気がする。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)