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齧
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か
ふりがな文庫
“
齧
(
か
)” の例文
その時第三の馬また脱け出で首尾を揚げ衝き当り廻る、それから衆馬狂奔して
踢
(
け
)
り合い
齧
(
か
)
み合い打つ叫ぶ大乱戦となったと記す。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
そんな日の或る午後、(それはもう秋近い日だった)私達はお前の描きかけの絵を画架に立てかけたまま、その白樺の木蔭に寝そべって果物を
齧
(
か
)
じっていた。
風立ちぬ
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
天
(
あめ
)
の
眞名井
(
まなゐ
)
一一
に振り滌ぎて、さ
齧
(
が
)
みに
齧
(
か
)
みて、吹き棄つる
氣吹
(
いぶき
)
の
狹霧
(
さぎり
)
に成りませる神の御名
一二
は、
多紀理毘賣
(
たぎりびめ
)
の命、またの御名は
奧津島比賣
(
おきつしまひめ
)
の命といふ。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
松魚
(
かつお
)
の刺身のつまに生のにんにくをかりかり
齧
(
か
)
じっているのを見て驚歎した自分は、自宅や親類の人達がどうしてにんにくを喰わないかと思って母に聞いたら
重兵衛さんの一家
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
その中からチョコレートを出して、ゆき子は、
腹這
(
はらば
)
つたまゝ
齧
(
か
)
じつた。少しも
甘美
(
おいし
)
くはなかつた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
▼ もっと見る
子供の頭を病む者など、よくゴンゲサマを頼み、その病を
齧
(
か
)
みてもらふことあり。
遠野物語
(新字旧仮名)
/
柳田国男
(著)
すると一人の侍女が来て、柳の
頬
(
ほお
)
の近くに立った。それは
翠
(
みどり
)
の
襪
(
くつたび
)
に紫の色絹を着て、細い指のような
履
(
くつ
)
を
穿
(
は
)
いていた。柳はひどく気に入ったので、そっと口を持っていってその襪を
齧
(
か
)
んだ。
織成
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
その勢にこれ見そなはせ、尾の先少し
齧
(
か
)
み取られて、痛きこと
太
(
はなはだ
)
しく、生れも付かぬ不具にされたり。かくては大切なるこの尻尾も、
老人
(
としより
)
の
襟巻
(
えりまき
)
にさへ成らねば、いと口惜しく思ひ侍れど。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
呉起
(
ごき
)
其
(
そ
)
の
己
(
おのれ
)
を
謗
(
そし
)
りし
者
(
もの
)
三十
餘人
(
よにん
)
を
殺
(
ころ
)
して、
東
(
ひがし
)
、
衞
(
ゑい
)
の
(六五)
郭門
(
くわくもん
)
を
出
(
い
)
で、
其母
(
そのはは
)
と
訣
(
わか
)
る。((己ノ))
臂
(
ひぢ
)
を
齧
(
か
)
んで
盟
(
ちか
)
つて
曰
(
いは
)
く、「
起
(
き
)
、
卿相
(
けいしやう
)
と
爲
(
な
)
らずんば、
復
(
ま
)
た
衞
(
ゑい
)
に
入
(
い
)
らじ」と。
遂
(
つひ
)
に
曾子
(
そうし
)
に
事
(
つか
)
ふ。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
羊、百草を
齧
(
か
)
み、鶏五穀を
啄
(
ついば
)
む。故にこれを殺して以て生気を助くと。元旦から草木が生え出すを羊と鶏が食い荒すから、これを殺して植物の発芽を助くというのだ。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
齧
漢検1級
部首:⿒
21画
“齧”を含む語句
生齧
聞齧
齧歯獣
豊齧
齧歯
齧附主義