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魔除
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まよ
ふりがな文庫
“
魔除
(
まよ
)” の例文
ガラッ八は死骸の枕許に置いてあった、
魔除
(
まよ
)
けの脇差を取上げました。言うまでもなく三日前にガラッ八が吉三郎に売った、十両の赤鰯丸です。
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
今でも
大草履
(
おおぞうり
)
を
魔除
(
まよ
)
けとするごとく、彼ら独特の
畏嚇法
(
いかくほう
)
をもってなるべく平地人を廻避した手段であったかも知れませぬ。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
それこそはたびたび聞いた
西蔵
(
チベット
)
の
魔除
(
まよ
)
けの
幡
(
はた
)
なのでした。ネネムは
逃
(
に
)
げ出しました。まっ黒なけわしい岩の
峯
(
みね
)
の上をどこまでもどこまでも逃げました。
ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
すると、その言葉が何か
魔除
(
まよ
)
けの
呪文
(
じゅもん
)
ででもあったかのように、塀の上の目鼻も判然としない
杓文字
(
しゃもじ
)
に似た小さい顔が、すっと消えた。跡には、ゆすら梅が白く咲いていた。
春の盗賊
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ふと、
前刻
(
さっき
)
の花道を思い出して、どこで覚えたか、
魔除
(
まよ
)
けの
呪
(
じゅ
)
のように、わざと素よみの口の
裡
(
うち
)
で、
一歩
(
ひとあし
)
、
二歩
(
ふたあし
)
、擬宝珠へ寄った処は、あいてはどうやら鞍馬の山の
御曹子
(
おんぞうし
)
。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
「どんじき、などと、お書きくださって、なんの意味か、通じはしませぬが、そういう
有徳
(
うとく
)
なお方の看板でも出しておいたら、少しは貧乏神の
魔除
(
まよ
)
けになるかと思いましてな」
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ガラツ八は死骸の枕元に置いてあつた、
魔除
(
まよ
)
けの脇差を取上げました。言ふまでもなく三日前にガラツ八が吉三郎に賣つた、十兩の
赤鰯丸
(
あかいわしまる
)
です。
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
見てください、そこの化粧台の
抽斗
(
ひきだし
)
を。いつも
魔除
(
まよ
)
けの短刀を入れておくんです。つい、こないだの晩だって、私は刃を抜いて見せてやりました。乱暴するなら自分の手で死んでやるって。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この時もいたく
胸騒
(
むなさわ
)
ぎして、
平生
(
へいぜい
)
魔除
(
まよ
)
けとして
危急
(
ききゅう
)
の時のために用意したる
黄金
(
おうごん
)
の
丸
(
たま
)
を取り出し、これに
蓬
(
よもぎ
)
を巻きつけて打ち放したれど、鹿はなお動かず、あまり怪しければ近よりて見るに
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
この腰の物は、
魔除
(
まよ
)
けに、と云う細君の
心添
(
こころぞえ
)
で。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ははあ、それで拙者のような旅人を、
魔除
(
まよ
)
けにお泊めなさるわけだな」
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ある
夜
(
よ
)
山中
(
さんちゅう
)
にて
小屋
(
こや
)
を作るいとまなくて、とある大木の下に寄り、
魔除
(
まよ
)
けのサンズ
縄
(
なわ
)
をおのれと木のめぐりに
三囲
(
みめぐり
)
引きめぐらし、鉄砲を
竪
(
たて
)
に
抱
(
かか
)
えてまどろみたりしに、夜深く物音のするに心づけば
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
なんの
魔除
(
まよ
)
けだろう。どれ、あれよ。ありゃ千社札さ。フーム客がいたずらしたんだな。なにさ
納札
(
のうさつ
)
の連中ときたら
空
(
す
)
きがあると人の顔にでもはりかねない。そいつはやッけえな
代物
(
しろもの
)
だ。まったく。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
魔
常用漢字
中学
部首:⿁
21画
除
常用漢字
小6
部首:⾩
10画
“魔”で始まる語句
魔
魔法
魔物
魔法使
魔性
魔女
魔魅
魔神
魔術
魔力