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魂魄
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たましい
ふりがな文庫
“
魂魄
(
たましい
)” の例文
イヤ、骨身に徹するどころではない、
魂魄
(
たましい
)
なども
疾
(
とっ
)
くに飛出して
終
(
しま
)
って、力寿の
懐中
(
ふところ
)
の奥深くに
潜
(
もぐ
)
り込んで居たのである。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
其間
(
そのあいだ
)
も彼は山椿の枝を放さなかった。紅い
蕾
(
つぼみ
)
は
疾
(
と
)
くに砕けて
了
(
しま
)
ったが、恋しき女の
魂魄
(
たましい
)
が宿れるもののように、彼は
其
(
そ
)
の枯枝を大事に抱えていた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
無事で帰ったというよりは、殺された
魂魄
(
たましい
)
が煙の如く立ち迷うて、ここへ流れついたと見るのが至当かも知れない。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
あとに残った
魂魄
(
たましい
)
だけが眺めているような……そんなような陰惨な、悽愴とした感じ……。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
俯して
答
(
いら
)
えなき内儀の
項
(
うなじ
)
を、出刃にてぺたぺたと
拍
(
たた
)
けり。内儀は
魂魄
(
たましい
)
も身に添わず
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
死んで
魂魄
(
たましい
)
が身体から離れるは此の様な気持ではあるまいか、併し余の呻き声に
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
魂魄
(
たましい
)
ばかりに成り申したら帰りも致そう、生身で一
ト
歩
(
あし
)
でも後へさがろうか、と
罵
(
ののし
)
って悪戦苦闘の有る限りを尽した。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
切
(
せめ
)
てもの
心床
(
こころゆか
)
しに、市郎は父の名を呼んだが、
魂魄
(
たましい
)
の空しい人は何とも答えなかった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
云わば少しばかり金が出来たからとて公債を買って置こうなどという、そんな
蝨
(
しらみ
)
ッたかりの
魂魄
(
たましい
)
とは魂魄が違う。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
彼は自分の
魂魄
(
たましい
)
が
此
(
この
)
花に宿って、お葉の温かき
情
(
なさけ
)
を受けているようにも思った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
源太十兵衛時代にはこんなくだらぬ建物に泣いたり笑ったりしたそうなと云われる日には、なあ十兵衛、二人が
舎利
(
しゃり
)
も
魂魄
(
たましい
)
も
粉灰
(
こばい
)
にされて消し飛ばさるるわ
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
十兵衛いよいよ五重塔の
工事
(
しごと
)
するに定まってより寝ても起きてもそれ
三昧
(
ざんまい
)
、朝の飯
喫
(
く
)
うにも心の中では塔を
噬
(
か
)
み、夜の夢結ぶにも
魂魄
(
たましい
)
は九輪の頂を
繞
(
めぐ
)
るほどなれば
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
悪い
請求
(
たのみ
)
をさえすらりと
聴
(
き
)
いてくれし上、胸にわだかまりなくさっぱりと
平日
(
つね
)
のごとく
仕做
(
しな
)
されては、清吉かえって
心羞
(
うらはず
)
かしく、どうやら
魂魄
(
たましい
)
の底の方がむず
痒
(
がゆ
)
いように覚えられ
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
事情が何も分った訳ではないが、女の
魂魄
(
たましい
)
とする鏡を売ろうとするに臨みての女の心や其事情がまざまざと
胷
(
むね
)
に浮んで来て、定基は闇然として眼を
瞑
(
つむ
)
って打仰いで、堪えがたい哀れを催した。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
不図
(
ふと
)
立聞
(
たちぎき
)
して
魂魄
(
たましい
)
ゆら/\と足
定
(
さだま
)
らず、
其儘
(
そのまま
)
其処
(
そこ
)
を
逃出
(
にげいだ
)
し人なき
柴部屋
(
しばべや
)
に夢の
如
(
ごと
)
く
入
(
いる
)
と等しく、せぐりくる涙、あなた程の方の女房とは
我身
(
わがみ
)
の
為
(
ため
)
を思われてながら吉兵衛様の
無礼過
(
なめすぎ
)
た言葉恨めしく
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
“魂魄”の意味
《名詞》
魂 魄 (こんぱく)
死者のたましい。霊魂。
(出典:Wiktionary)
“魂魄”の解説
魂魄(こんぱく)は、中国の道教や伝統中国医学における霊についての概念である。
転じて、死者の霊を意味することもある。
(出典:Wikipedia)
魂
常用漢字
中学
部首:⿁
14画
魄
漢検1級
部首:⿁
15画
“魂魄”で始まる語句
魂魄燈
魂魄神
魂魄肉体