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高座
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こうざ
ふりがな文庫
“
高座
(
こうざ
)” の例文
八畳の広間には、まんなかに浪花節を語る
高座
(
こうざ
)
ができていて、そこにも紙や
布
(
ぬの
)
のビラがヒラヒラなびいた。室は風通しがよかった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
寄席
(
よせ
)
の
高座
(
こうざ
)
にのぼる江戸風軽口の
話口
(
はなしくち
)
をきくと、大概みんな自分の顔の
棚下
(
たなおろ
)
しや、出来そくなった生れつきのこきおろしをやる。
旧聞日本橋:11 朝散太夫の末裔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
高座
(
こうざ
)
の
御簾
(
みす
)
をあげて、こういった家康は、ときに、四十の坂をこえたばかりの男ざかり、
智謀
(
ちぼう
)
にとんだ名将のふうはおのずからそなわっている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、この時あたりの乗客どもがすべて聴き耳を立ててきたので、彼は今手が明いて引き上げてきた
高座
(
こうざ
)
のうえの気分をまた自分の心に引きだしていた。
猫八
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
高座
(
こうざ
)
の
右側
(
みぎわき
)
には
帳場格子
(
ちょうばごうし
)
のような
仕切
(
しきり
)
を二方に立て廻して、その中に
定連
(
じょうれん
)
の席が設けてあった。それから高座の
後
(
うしろ
)
が
縁側
(
えんがわ
)
で、その先がまた庭になっていた。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
剣舞の次は
幻燈
(
げんとう
)
だった。
高座
(
こうざ
)
に
下
(
おろ
)
した幕の上には、
日清戦争
(
にっしんせんそう
)
の光景が、いろいろ映ったり消えたりした。大きな
水柱
(
みずばしら
)
を揚げながら、「
定遠
(
ていえん
)
」の沈没する所もあった。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
衆人の視線は自然と沼南夫妻に集中して
高座
(
こうざ
)
よりは沼南夫妻のイチャツキの方に気を取られた。
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
あたりは
高座
(
こうざ
)
で噺家がしゃべる通り、ぐるぐるぐるぐる廻っていて、本所だか、深川だか、処は更に分らぬが、わたくしはとかくする
中
(
うち
)
、何かにつまずきどしんと横倒れに転び
雪の日
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
寄席
(
よせ
)
の
高座
(
こうざ
)
で、がんどうの明りに、えごうく浮き出てくる妖怪の顔や、角帯をキュッとしごいて、赤児の泣き声を聴かせるといった
躰
(
てい
)
の——そうしたユーモラスな怖ろしさではなかった。
人魚謎お岩殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
是はいかなる
突拍子
(
とっぴょうし
)
もない話し家でも、
高座
(
こうざ
)
に
上
(
あが
)
った
早々
(
そうそう
)
からおかしいことをいう者が無いと同じで、むしろ最初はさりげなく、やがて高調してくる
滑稽
(
こっけい
)
を、予想せしめただけでよいのであった。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
それでいて二人共に、
高座
(
こうざ
)
に顔を
曬
(
さら
)
すことを
憚
(
はばか
)
らなかったのである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
講釈師の伯円が先ず第一に
高座
(
こうざ
)
で読みはじめる。
半七捕物帳:26 女行者
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「………」猫八もまた何か言ってみたくなったほど
高座
(
こうざ
)
で受けるお客からの待遇に対する不平が浮んでいた。
猫八
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
二人は小声で話しながら、大きな部屋にぎっしり詰まった人の頭を
見回
(
みまわ
)
した。その頭のうちで、
高座
(
こうざ
)
に近い前の方は、煙草の煙で
霞
(
かす
)
んでいるようにぼんやり見えた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
二十年前亡友A氏と共にしばしばこのあたりの
古寺
(
ふるでら
)
を訪うた頃の事やら、それよりまた更に十年のむかし
噺家
(
はなしか
)
の弟子となって、このあたりの
寄席
(
よせ
)
、
常盤亭
(
ときわてい
)
の
高座
(
こうざ
)
に上った時の事などを
深川の散歩
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
手品
(
てじな
)
、
剣舞
(
けんぶ
)
、
幻燈
(
げんとう
)
、
大神楽
(
だいかぐら
)
——そう云う物ばかりかかっていた寄席は、身動きも出来ないほど
大入
(
おおい
)
りだった。二人はしばらく待たされた
後
(
のち
)
、やっと
高座
(
こうざ
)
には遠い所へ、
窮屈
(
きゅうくつ
)
な腰を
下
(
おろ
)
す事が出来た。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
相模
高座
(
こうざ
)
郡相原村大字橋本字当麻田
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その奥に
高座
(
こうざ
)
ができていて、いつでも
寄席
(
よせ
)
もしくは講演を開くような設備もある。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
同
高座
(
こうざ
)
郡
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
“高座”の意味
《名詞》
高座(こうざ)
寺院において僧が説法や修法する際、一般の席よりも高く造る席や壇。
寄席などで演者が座る席。またそこで行う演芸。
上席。上座。
(出典:Wiktionary)
高
常用漢字
小2
部首:⾼
10画
座
常用漢字
小6
部首:⼴
10画
“高座”で始まる語句
高座敷
高座郷