もとめ)” の例文
貯蔵、製粉、製麭に関するあらゆる科学的並びに実用的の研究をする外、なお広く民間のもとめに応じて雑穀、粉、麺麭等の分析等をするそうである。
話の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
第三号には、硯友社員ではないらしいが露の屋尾花という人の改名披露が載っておる。「今般去る貴婦人のもとめに応じグットつやッぽく露の家尾花と改号」
次いで千八百九十六年北斎伝出でしがその編纂の資料はもとビングのもとめによりて一日本人の蒐集せしものなりしを
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
先生の平生はなはだ多忙にして執筆の閑を得ずそのままに経過したりしに、一昨年の秋、る外国人のもとめに応じて維新前後の実歴談を述べたる折、と思い立ち
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
先生の平生はなはだ多忙にして執筆の閑を得ずそのままに経過したりしに、一昨年の秋、る外国人のもとめに応じて維新前後の実歴談を述べたる折、と思い立ち
丹泉の俗物でないことを知ってまじわっていた唐氏は喜んで引見して、そしてそのもとめに応じた。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
山家の人のはなしに熊をころすこと二三疋、あるひはとしたる熊一疋を殺も、其山かならずあるる事あり、山家さんかの人これを熊あれといふ。このゆゑに山村さんそん農夫のうふもとめて熊をとる事なしといへり。
私が先ず腹蔵なく依頼者の秘密を聞いた上でなければもとめに応ぜぬは是が為です、依頼者は既に私は自分の悪事を聞き取られた上に前身の顔形と後身の顔形とを取られて居ますゆえ
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
先生、諭吉に序文じょぶんめいず。諭吉は年来ねんらい他人の書にじょするをこのまずして一切そのもとめ謝絶しゃぜつするの例なれども、諭吉の先生における一身上しんじょう関係かんけいあさからずして旧恩きゅうおんの忘るべからざるものあり。
端書はしがきせよとのもとめはあれど。筆もつすべも白炭しらすみや。やかぬ昔の雪の枝炭屋の妻程黒からで鈍き作意の炭手前すみでまえ。曲りなりなる飾り炭。たゞ管炭くだずみのくだ/\しけれど。輪炭わずみ胴炭どうずみ点炭てんずみと重ねて御求めの有之様これあるよう
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ソコで今金の話が出て来て、その金の声を聞き前説を変じて学校監督のもとめに応じようとえば、前にこれを謝絶したのが間違いか、ソレが間違いでなければ今その金を請取うけとるのが間違いである。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
旅行の先々で人のもとめに応じて詩を
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
談語楼銀馬だんごろうぎんばもとめおうじて
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)