トップ
>
雨落
>
あまおち
ふりがな文庫
“
雨落
(
あまおち
)” の例文
お雪さんは、歌磨の絵の
海女
(
あま
)
のような姿で、
鮑
(
あわび
)
——いや小石を、そッと拾っては、鬼門をよけた
雨落
(
あまおち
)
の下へ、積み積みしていたんですね。
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
セルギウスは女が
檐下
(
のきした
)
の
雨落
(
あまおち
)
に足を踏み込んだと云ふ事を知つた。手に握つてゐる戸の鉤を撥ね上げようとする手先が震えた。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
実は貸本の『
絵本太閤記
(
えほんたいこうき
)
』から思い付いたことで、
日吉丸
(
ひよしまる
)
が、
蜂須賀小六
(
はちすかころく
)
のところから、刀を盗み出すのに、三晩も続けて笠を
雨落
(
あまおち
)
に置き、小六の心を疲らせて
銭形平次捕物控:014 たぬき囃子
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
朝からの雨が雪になるかと思ったが、寒さがきびしいばかりで雪になるようすもなく、
雨落
(
あまおち
)
の石を打つあまだれの音が、気のめいるような陰気な調子で、低く、ゆっくりと呟いているのが聞えた。
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
雨落
(
あまおち
)
に
通草
(
あけび
)
の花はちり
泛
(
う
)
きて
中
(
なか
)
流れをり清きむらさき
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
町もこうは狭からざりしが、今はただ
一跨
(
ひとまた
)
ぎ二足三足ばかりにて、
向
(
むかい
)
の
雨落
(
あまおち
)
より、
此方
(
こなた
)
の溝まで
亙
(
わた
)
るを得るなり。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
雨落
(
あまおち
)
に
通草
(
あけび
)
の花はちり
泛
(
う
)
きて
中
(
なか
)
流れをり清きむらさき
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
思いも寄らぬ
蜜柑
(
みかん
)
の皮、梨の
核
(
しん
)
の、
雨落
(
あまおち
)
、
鉢前
(
はちまえ
)
に飛ぶのは
数々
(
しばしば
)
である。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
雨落
(
あまおち
)
に
敷詰
(
しきつ
)
めた
礫
(
こいし
)
には
苔
(
こけ
)
が
生
(
は
)
えて、
蛞蝓
(
なめくぢ
)
が
這
(
は
)
ふ、
濕
(
し
)
けてじと/\する、
内
(
うち
)
の
細君
(
さいくん
)
が
元結
(
もとゆひ
)
をこゝに
棄
(
す
)
てると、
三七
(
さんしち
)
二十一日
(
にじふいちにち
)
にして
化
(
くわ
)
して
足卷
(
あしまき
)
と
名
(
な
)
づける
蟷螂
(
かまきり
)
の
腹
(
はら
)
の
寄生蟲
(
きせいちう
)
となるといつて
塾生
(
じゆくせい
)
は
罵
(
のゝし
)
つた。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ふと、
高縁
(
たかえん
)
の
雨落
(
あまおち
)
に、同じ花が二、三輪咲いているように見えた。
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
雨
常用漢字
小1
部首:⾬
8画
落
常用漢字
小3
部首:⾋
12画
“雨”で始まる語句
雨
雨戸
雨滴
雨露
雨風
雨漏
雨傘
雨乞
雨樋
雨垂