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雜談
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ざふだん
見ながら
孃さまは
何處へぞお
姿が
見えぬやうなりと
人騷がせするもあり
乳母は
夜の
目ろく/\
合さずお
高が
傍に
寢床を
並べ
浮世雜談に
諷諫の
意を
殺すは
苦もなし拙僧の儀は
御氣遣有べからず
呉々小姓共は仕損じ給ふなと
約束し夫より酒宴を
催し四方山の
雜談に時を
「どうぞねえお
内儀さん」
老母もいつた。
内儀さんはそれから
又暫く
雜談をして
皆で
笑つて
歸つた。
立出
道すがら
昨夜の相方は
斯々なりなどと
雜談を云つゝ一本の
傘に三人が
小雨を
凌ぎながら品川を後にして
高輪より
札の
辻の方へ
差掛りける處に夜の引明なれば未だ
往來は
人影もなく向ふを