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隨一
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ずゐいち
侘住居と
申します——
以前は、
北國に
於ても、
旅館の
設備に
於ては、
第一と
世に
知られた
此の
武生の
中でも、
其の
隨一の
旅館の
娘で、二十六の
年に
伊太利の
繁華なる
港といへば、
此處は
國中隨一の
名港子ープルス、
埠頭から
海岸通りへかけて
商館の
數も
幾百千、もしや
濱島は
此港で、
其商會とやらを
營んで
居るのではあるまいかと
思ひ
浮んだので
一議に
及ばず、
旦那以爲然が、
何分大枚の
代物であるから、
分別隨一と
云ふ
手代が、
此の
使を
承る。と
旦那も
十分念を
入れて、
途中よく
氣をつけて、
他人には
指もさゝせるな。