間半けんはん)” の例文
『ひどいうじだなア。』と、一ばんちかつた某家ぼうけ武士ぶしそばからでも、死體したいまではまだ一間半けんはんばかりの距離きよりがあつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
このたびのは、一昨日をとゝひあさからかゝつた仕事しごとで、ハヤそのなかばいた。たけ間半けんはん小口こぐちじやくまはり四角しかくくすのき眞二まつぷたつにらうとするので、與吉よきちは十七の小腕こうでだけれども、このわざにはけてた。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
左の方の柱には古笠と古蓑ふるみのとが掛けてあつて、右の方の暖炉だんろの上には写真板の手紙の額が黒くなつて居る。北側の間半けんはんの壁には坊さんの書いた寒山かんざんの詩の小幅が掛つて居るが極めて渋い字である。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
ふねがまた一間半けんはんばかりきしはなれたとき玄竹げんちく下男げなんうながして兩掛りやうがけをかつがせ、大急おほいそぎできしけて
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)