トップ
>
鑑識
>
めがね
ふりがな文庫
“
鑑識
(
めがね
)” の例文
織娘の中で心掛けの善いおくのと云うが有りまして、
親父
(
おやじ
)
の
鑑識
(
めがね
)
でこれを茂之助に添わせると、
宜
(
よ
)
いことには
忽
(
たちま
)
ち子供が
出産
(
でき
)
ました。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「それが悪いのか、銭形の、——弥三郎殺しを新助の仕業と思ったのは俺の
鑑識
(
めがね
)
違いだったが、今度ばかりは外れっこのねえ証拠がある」
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
清之介君は支配人の
鑑識
(
めがね
)
通り忠実な良人だった。妙子さんも、
富裕
(
ゆたか
)
な家庭に育った末娘にあり勝ちの我儘を除いては、申分ない妻女だった。
女婿
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「すまねえが親分の
鑑識
(
めがね
)
違えだ。」味噌松が仲へはいった。「ま、考えても御覧なせえ。お神さんの
腕力
(
ちから
)
であの
鉞
(
まさかり
)
が——。」
釘抜藤吉捕物覚書:03 三つの足跡
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
万人の
鑑識
(
めがね
)
に
適
(
かな
)
ってこそ天下の名画と申すことが出来る。——この八景砂子が淡い。持ち返って手を入れたらどうじゃな
北斎と幽霊
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
言ふ迄もなく
鑑識
(
めがね
)
自慢で、値段よりも自分の眼で買つたものだけに、
素性
(
すじやう
)
の立派なのに比べて、金は余り掛けてゐない。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「ゆうべ道之進と会った。あれをおまえの良人に約束したのは兄の
鑑識
(
めがね
)
違いだった。精しいことは云えないが、ゆうべは道之進を斬るつもりだった」
夜明けの辻
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
見込んで世話した人の
鑑識
(
めがね
)
を裏切るようなことはないつもりだと、自信はしているけれども、お松はどうしてもそれを承諾する気にはなれませんでした。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
犬商自身の
鑑識
(
めがね
)
に叶った夫人——すなわち老夫人ではなくて、若い美夫人ばかりであったということに考え至れば、その時私の胸にも一種奇異な感じが起ったであろうが
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
さすがは多くの女ども、見飽きたまひし旦那の御
鑑識
(
めがね
)
ほどありてと、御
容貌
(
きりやう
)
には誰も点の
打人
(
うちて
)
なきに、旦那様も御満足の、その当座こそ二世も三世も、浮気はせまいと心の錠。
今様夫婦気質
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
「えツ、それは無法、——いえなに、石原の兄哥の
鑑識
(
めがね
)
違ひと言つちや惡いが、萬三郎が、あの女を殺すわけが御座いません」
銭形平次捕物控:004 呪ひの銀簪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
軍之助は一刀流正派のながれを守るものとして先師の
鑑識
(
めがね
)
にかない入婿して月輪を名乗っているのだが、
剛柔兼備
(
ごうじゅうけんび
)
、よく微塵流の長を伝えて
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「恐れながらそれはお
鑑識
(
めがね
)
ちがいにございます。ごらんのとおりの小足軽、なかなかもちましてさような……」
足軽奉公
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
國藏は
頻
(
しき
)
りに心配して大家さんへ届けたり、自身番を頼んだりぐる/\騒いで居りますると、文治郎の
鑑識
(
めがね
)
に
違
(
たが
)
わず、それっ切り仕返しにも来ませんでしたが
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
一たびは
小癪
(
こしゃく
)
にさわり、折あらばその虎之助なる者と立合ってみたい、老いぼれた父の
鑑識
(
めがね
)
を我が新鋭の手練を以て打ち砕いてやるも面白かろうと、
平生
(
へいぜい
)
はこんなに思っていたが
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「誰か若い将校で、あなたのお
鑑識
(
めがね
)
にかなつたのがございましたらと存じますが……」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それは人々の
鑑識
(
めがね
)
次第——しからばいよいよ貴殿には、どうでも同道致されぬ気か?
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
三輪の万七とお神楽の清吉はプリプリしておりますが、
与力
(
よりき
)
の
鑑識
(
めがね
)
ですることへ、文句の付けようもありません。
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
鑑識
(
めがね
)
ちがいではないか、どうかそうあってくれればよいがと、御覧のとおり、何度見直したか知れぬ。
稲生播磨守
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
以後御別懇に願いたい、
就
(
つい
)
ては母も老体で
私
(
わたくし
)
が内職に
行
(
ゆ
)
くことが出来ませんから、文治郎殿の
鑑識
(
めがね
)
に
適
(
かな
)
った女房を世話をして下さい、成るべくお
親戚
(
みより
)
なれば尚更忝けない
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
犬養氏が長年の間、
閑暇
(
ひま
)
と
鑑識
(
めがね
)
にまかせて
購
(
か
)
ひ集めた書物が、二階の一
室
(
ま
)
にぎつしり詰まつた時、氏は目尻を皺くちやにして喜んだが、それを見てたつた一人そつと溜息を
吐
(
つ
)
いた人がある。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
三輪の萬七とお
神樂
(
かぐら
)
の清吉はプリプリして居りますが、與力の
鑑識
(
めがね
)
ですることへ、文句の付けやうもありません。
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
私はもとは此の
家
(
うち
)
へ機織に雇われた奉公人を、
斯
(
こ
)
うやって若旦那に添わして下さるとは冥加至極のこと、お父さんのお
鑑識
(
めがね
)
にかない此の家の女房に成り子供まで出来ましたから
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
吉宗の
鑑識
(
めがね
)
、いやなに、源蔵の礼ごころじゃ。このうえともに、な、
精勤
(
せいきん
)
いたせ。頼むぞ
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
錢形の親分さん、
燕女
(
つばめ
)
は人なんか殺せる娘ぢやございません。三輪の親分の
鑑識
(
めがね
)
違ひと言つちや濟みませんが、あれは何んかの間違ひに決つてをります。どうか、あの娘を
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
実は鉄斎の腹の中で
技倆
(
うで
)
からいっても勝つべき若者——
婿
(
むこ
)
として
鑑識
(
めがね
)
にかなった諏訪栄三郎という高弟がひとりちゃんと決まっていればこそ、こんな
悪戯
(
いたずら
)
をする気にもなったのだろうが
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
人も通わぬ山奥でむざ/\
相果
(
あいはて
)
るとは、
何
(
なん
)
たる不孝でございましょう、くれ/″\もお許し下さいまし、たま/\御両親のお
鑑識
(
めがね
)
にて、末頼もしき夫を持ちましても、運
拙
(
つたな
)
くして重なる不幸
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「へ、へッ、千慮の一失って講釈師は言いますぜ、あの時ばかりは親分の
鑑識
(
めがね
)
も曇ったね」
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
鑑識
(
めがね
)
通りだ、はっはっは、彦御苦労だったのう。」と藤吉は哄笑して
釘抜藤吉捕物覚書:02 梅雨に咲く花
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「へ、へツ、千
慮
(
りよ
)
の一失つて
講釋師
(
かうしやくし
)
は言ひますぜ。あの時ばかりは親分の
鑑識
(
めがね
)
も曇つたね」
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「八五郎
兄哥
(
あにい
)
には
叶
(
かな
)
はねえよ。俺は自害に違ひないと言ふと、自分で自分の
喉
(
のど
)
を突いて、手の汚れない筈はないと斯う言ふのだ、——さすがは錢形の親分の仕込みで、大した
鑑識
(
めがね
)
だよ」
銭形平次捕物控:187 二人娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
當主三右衞門は幸ひ赤塚家先代の
鑑識
(
めがね
)
に
叶
(
かな
)
つて當家の婿養子となり、赤塚家を繼いで三人の子をまうけましたが、赤塚家の家督を爭つた相手は、それを根に持つて、事毎に當家に仇をし
銭形平次捕物控:173 若様の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「親分の
鑑識
(
めがね
)
は曇らねえ、確かにありますぜ」
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“鑑識”の意味
《名詞》
鑑識(かんしき)
物事の良し悪し、良否、真偽を見分けること。鑑定する力。目利き。
事件や事故などにおける捜査機関による指紋や血痕、足跡、遺留品の鑑定。
(出典:Wiktionary)
“鑑識”の解説
鑑識(かんしき)とは、犯罪捜査において指紋・血痕などの証拠資料を科学的に鑑定すること。
(出典:Wikipedia)
鑑
常用漢字
中学
部首:⾦
23画
識
常用漢字
小5
部首:⾔
19画
“鑑識”で始まる語句
鑑識係
鑑識力
鑑識眼
鑑識違